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危険感知 [部分編集] 雷鳴の使徒 OPERATION O-X71 茶 2-2-0 U (常時):《(1)》ロール状態の自軍G2枚を持ち主の手札に移す。その場合、ターン終了時に、手札にあるG2枚を選んで、自軍配備エリアにリロール状態で出すことができる。 移動 展開 Gを出しなおすオペレーション。主な目的はロールコストの再利用である。 ロールコストでロールしたカードは規定の効果以外ではリロールできないが、一度回収して再度場に出すことでその制限を回避できる。 ヴァリアブルや解体したGを手札に移し再利用すると言った使い道もある。 手札が増えるのでガンダム6号機や∀ガンダム《1st/BB1》のような手札の枚数に依存するカードと組み合わせると面白い。 手札に移せるのはロール状態のGだけなので、ACE、もしくはディアナ帰還のようなGをロールするオペレーションとあわせて使いたい。 他にも同弾の通じ合う心を戻すことで再利用することも可能。しかし捨て山利用を得意とする茶とはあまり相性がいいとは言えないだろう。 なお、ターン終了時にGを出す場合、2枚出す必要がある。前述したようにヴァリアブルによるGや解体Gなどを手札に戻した場合やハンデスされるなどによって手札のGが1枚以下になった場合、場に出すことができず単なるランデスとなるので注意したい。 女王の擁立の様に宇宙引越公社とコンボする事でブーストができる。 このカードのテキストをプレイする分のコストは掛かるが、混戦の維持コストを実質永続的に支払うことができる。 ターン終了時にGを出すかどうかを決めるのは、テキストのプレイ時(その場合参照)。ただし「手札の秘匿性」により、プレイ時にGを出すと宣言し解決された後、適用時にGが手札に無いものとして(状況的に手札にGが2枚以上あることが明らかな場合でも)Gを出さないことは適正。
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日記/2013年01月19日(SAT)/今日のまとめ 2013-01-20 天気:ゆきあめ。 商品情報|WONDERFUL HOBBY LIFE FOR YOU!! 17 ttp //www.whl4u.jp/products.html モゲマスのフィギュアの出来が良い。 基本的に関節が動く鑑賞系フィギュアには興味が無く、 その意味で『figma』って今まで別に欲しいと思いませんでしたが、 この出来栄えなら買っても良いかなって思います。 ただ、1体手を出すと揃えたくなる心理になるため、決断は慎重にするべきですね。 いやー、しかし出来が良いわぁ。今までの(ねんぷちを除く)アイマスフィギュアもこれくらいなら……。 全部買うとなると figma凛…3,500円 figma杏…3,500円 ねんぷち…4,000円 デカきらり…4,000円 合計…1万5,000円かー。遊戯王の『ゴールドシリーズ2013』が5箱追加で買えてしまうな。 まぁ、少なくとも、ねんぷちの杏・楓・莉嘉ライブステージは買おう。アイマスのねんぷちは揃えているから。 が、4,000円はちょっと高くないですか。ステージ抜きで2,000円版とかあると嬉しいですわ。 いや、フィギュアの自作は難しいものですがステージってのは自作可能範囲なので、少しね。 あー、モゲマスといえば最近は一年前のレアアイドルの復刻が続きますね。 去年ゲットして贈り物の奥の方に眠っていたSR艶あずきもレートが半分以下になっちゃいました。 早めにトレードに出しておけばスタドリ17本くらいにはなったのにねぇ。 この際、自分の倉庫の守り神的なものとして保持するのもいいかな。 我らが福井県人・都さんも復刻。 特訓前の姿の方が好きで、一年経っても未だに特訓せずに2枚持っておりますわ。復刻貰ったら特訓しよう。 【ニュース記事一覧】 救出作戦名ばかり 人質まで撃った - 国際ニュース nikkansports.com 安倍首相“邦人の無事確認と救出に全力” NHKニュース 日米外相会談 人質救出へ連携を確認 NHKニュース 日英首脳 緊密に連携で一致 NHKニュース 首相 ノルウェーと協力で一致 NHKニュース 国連安保理 最も強いことばで非難 NHKニュース “武装勢力が人質殺害”国営テレビ NHKニュース 787 日米合同で機体のデータを解析 NHKニュース ボーイング社 787型機の出荷を停止 NHKニュース 除染作業で労働違反200件超 厚労省 NHKニュース 同僚女性警官に強要の疑い警官2人逮捕 NHKニュース 理科教諭 生徒に塩酸飲ませる NHKニュース 首相 山口代表の訪中で関係改善期待 NHKニュース 首相 渡辺代表と日銀総裁人事で意見交換 NHKニュース 橋下共同代表 みんなの党と合流したい NHKニュース 石原共同代表 “官僚主導の打破を” NHKニュース 橋下大阪市長がまた「暴走」 入試中止に受験生から悲鳴 | ザ・リバティweb 元横綱・大鵬の納谷幸喜さんが死去 NHKニュース 安倍首相 日本外交の新5原則発表 NHKニュース 中国船領海侵入で官邸対策室 NHKニュース 米 尖閣問題で中国に圧力強める NHKニュース 中国 ロシアの戦闘機をコピーし国産開発と主張しロシア激怒 (NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース 中国が鳩山由紀夫元首相を招いた真の目的は、期待している安倍晋三首相に対する「SOS」のメッセージだ(板垣英憲) - BLOGOS(ブロゴス) 朝日新聞「中国機信号射撃方針」記事 防衛相が抗議、「誤報ではないか」との声 J-CASTニュース 痛いニュース(ノ∀`) 【画像】 週刊朝日の表紙がひどいと話題に - ライブドアブログ 救出作戦名ばかり 人質まで撃った - 国際ニュース nikkansports.com ttp //www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp1-20130119-1073894.html +記事コピペ収納 救出作戦名ばかり 人質まで撃った 空からの激しい機銃掃射と地上に響く爆発音。多数の人々が逃げ惑う中、アルジェリア人質事件で17日に軍による救出作戦が強行された。人質の出身関係国への事前通告はなく、アルジェリア政府は協力の申し出も拒否した。人質への配慮に乏しく、その独断的手法には欧米からも怒りが噴出した。 広大な砂漠が広がる南東部イナメナスのガス田施設から逃げてきた人質の英国人らが17日、中東の衛星テレビへの電話で口々に訴えた。「アルジェリア軍が施設を攻撃している。交渉すれば無駄な死は避けられる」「状況は悪化している。砲撃がやまない」。しかし、アルジェリア政府は「テロリストと交渉はしない」と拒否。軍特殊部隊による突入前から、武装勢力メンバーや人質がいる建物への攻撃は始まっていた。 逃げるためか、イスラム武装勢力メンバーらは人質らを4輪駆動車5台に分乗させて移動し始めると、待ち構えていた軍攻撃ヘリコプター2機が襲いかかった。「ヘリは車4台を破壊した。大勢が死んだと思う。自分は別の1台にいたので助かった」。英メディアによると、人質の1人だったアイルランド人のスティーブン・マクフォールさん(36)は脱出後、こう説明した。 生き残った武装勢力メンバーは「まだ人質が7人いる」と脅したが、特殊部隊が構わず突入。「軍は動く者全てを撃った」「至るところに遺体が横たわっていた」。無差別攻撃を受けた凄惨(せいさん)な現場を生存者らが証言した。 アルジェリア人のメザグ・イブラヒミさんは共同通信の電話取材に、アルジェリア人300人と米国人1人とともに逃走したと証言。脱出の直後に大きな爆発音を聞いたという。イブラヒミさんによると、施設では多数の外国人が拘束され、腹部に爆発物の付いたベルトが巻かれて後ろ手に縛られていた。 軍事作戦は突然始まり、米英両国は、アルジェリア政府が事前通告を行わずに軍事行動に出たことに不満をあらわにした。両国は事前に特殊部隊の派遣なども打診。しかし、アルジェリアは「自分たちだけでやる」と突っぱねた。英国の安全保障専門家は「英国は人質を救うことを優先するが、アルジェリアはテロリストの殺害を優先する。人質救出はおまけだ」と解説した。 [2013年1月19日8時8分 紙面から] 安倍首相“邦人の無事確認と救出に全力” NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014910741000.html +記事コピペ収納 安倍首相“邦人の無事確認と救出に全力” 1月19日 7時22分 K10049107411_1301190659_1301190700.mp4 政府は、北アフリカのアルジェリアで日本人らが拘束された事件を受けて、19日午前6時から対策本部の会合を開き、安倍総理大臣は「あらゆる手段で邦人の救出に全力を尽くしてほしい」と述べ、日本人の無事の確認と救出に全力を挙げるよう改めて指示しました。 東南アジアを歴訪していた安倍総理大臣は、北アフリカのアルジェリアで日本人らが拘束された事件に対応するため、当初の予定を一部取りやめて、19日午前4時前に、政府専用機で羽田空港に帰国しました。 安倍総理大臣は羽田空港から総理大臣官邸に入り、待機していた菅官房長官らから、18日夜に新たに日本人4人の無事が確認され、合わせて7人の無事が確認されたことなどについて説明を受けました。 このあと政府は、午前6時から対策本部の会合を開きました。この中で、安倍総理大臣は「徐々に被害の状況が明らかになってきているが、いまだに全容が明らかになったとは言えず、依然さまざまな情報が錯そうしている。引き続きアルジェリア政府に必要な働きかけを行うとともに、アメリカやイギリスとも連携して、あらゆる手段で邦人の救出に全力を尽くしてほしい」と述べました。 そして、会合では、現地の情勢や関係国からの情報などが報告され、安倍総理大臣は、人命の安全・尊重を第一として、あらゆる手段を用いて情報の収集と集約を行い、関係各国と緊密に連携することで、日本人の無事の確認と救出に全力を挙げるよう、関係閣僚に改めて指示しました。 会合のあと、安倍総理大臣は総理大臣官邸で記者団に対し、「このような卑劣な事件は断じて許されない。今後とも、私が陣頭指揮をとって、政府一丸となって全力で事件に対処していく」と述べました。 日米外相会談 人質救出へ連携を確認 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014910561000.html +記事コピペ収納 日米外相会談 人質救出へ連携を確認 1月19日 6時15分 アメリカを訪れている岸田外務大臣はクリントン国務長官と会談し、アルジェリアで日本人らが拘束された事件について、人質の早期救出に向けて、緊密に連携して対応する方針を確認しました。 岸田外務大臣は、日本時間の19日早く、ワシントンの国務省で、クリントン国務長官と日米外相会談を行い、このあと、両外相はそろって記者会見しました。 この中で、岸田大臣は、アルジェリアで日本人やアメリカ人を含む外国人などが拘束された事件について、「クリントン長官には、日本はテロを決して許容せず、アルジェリア政府に対し、人質の人命を最優先にするよう働きかけてきたことを伝えた。情報収集をはじめ、日米間で、引き続き緊密に連携して対応していくことで一致した」と述べました。そのうえで、岸田大臣は「今後も、さまざまな点で、アメリカには協力をお願いしたい。今回、直接、意見のすりあわせができたことは大変有意義だった」と述べました。 これに対し、クリントン長官は「先ほど、アルジェリアのセラル首相は電話会談で、『作戦は今も続いており、人質は引き続き危険な状況にある』と説明していた。アメリカは、日本など関係各国と協力して、事件の解決に全力を挙げる」と述べ、両外相は人質の早期救出に向けて、緊密に連携して対応する方針を確認しました。 日英首脳 緊密に連携で一致 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014917151000.html +記事コピペ収納 日英首脳 緊密に連携で一致 1月19日 19時35分 K10049171511_1301191932_1301191942.mp4 安倍総理大臣はイギリスのキャメロン首相と電話で会談し、アルジェリアで日本人らが拘束された事件について、人質の早期救出に向けて引き続き両国が緊密に連携するとともに、アルジェリア政府に対し、人命を最優先に対応するよう働きかけていくことで一致しました。 安倍総理大臣とイギリスのキャメロン首相との電話会談は17日に続くもので、午後6時から15分間、行われました。 この中で安倍総理大臣は、アルジェリアで日本人らが拘束された事件を巡って、イギリス政府から日本政府に対して情報が提供されていることに感謝の意を伝えました。 そのうえで安倍総理大臣は、「事件はまだ予断を許さず、多数の犠牲者が出ていることを憂慮している。テロとの戦いにおいて、今後ともイギリスと協力していきたい。日本、イギリスをはじめ関係国が一致して、アルジェリア政府に対し、人命を最優先に対応するよう働きかけることが重要だ」と述べました。 キャメロン首相も同様の認識を示し、人質の早期救出に向けて、引き続き両国が緊密に連携するとともに、アルジェリア政府に対し、人命を最優先に対応するよう働きかけていくことで一致しました。 このあと、安倍総理大臣は記者団に対し、「今後とも、イギリスをはじめ関係各国と連携をとりながら、全力で対処していく」と述べました。 また安倍総理大臣は、キャメロン首相から最新の情報について提供があったとしながらも、内容については明らかにしませんでした。 首相 ノルウェーと協力で一致 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014918681000.html +記事コピペ収納 首相 ノルウェーと協力で一致 1月19日 22時51分 K10049186811_1301192301_1301192303.mp4 アルジェリアで日本人らが拘束された事件で、安倍総理大臣は19日夜、ノルウェーのストルテンベルグ首相と電話で会談し、人質の早期救出に向けて両国が協力していくとともに、アルジェリア政府に対し、人命を最優先に対応するよう働きかけていくことで一致しました。 この事件ではノルウェーの石油会社の従業員の安否も分からなくなっており、安倍総理大臣はノルウェーのストルテンベルグ首相と午後9時25分から10分間、電話で会談しました。 この中で安倍総理大臣は「今回の事件で多数の犠牲者が出ていることを憂慮している。国際社会と連携してテロと戦う決意に変わりはない」と述べました。 これに対しストルテンベルグ首相は「ノルウェーとしても現状を憂慮しており、解決に向けて日本と協力していきたい」と述べ、人質の早期救出に向けて両国が緊密に連携することを確認しました。 そのうえで安倍総理大臣とストルテンベルグ首相は、アルジェリア政府に対し、人命を最優先に対応するよう働きかけていくことで一致しました。 国連安保理 最も強いことばで非難 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014918161000.html +記事コピペ収納 国連安保理 最も強いことばで非難 1月19日 21時35分 K10049181611_1301192139_1301192142.mp4 アルジェリアの天然ガスの関連施設で日本人を含む外国人などがイスラム武装勢力に拘束された事件について、国連の安全保障理事会は、「多数の死傷者を出すこととなったテロ攻撃を最も強いことばで非難する」という報道声明を発表しました。 この中で安保理は「凶悪な行為によって犠牲となった人々と遺族に対して心より哀悼の意を表する」としたうえで、テロを実行した者から資金の提供者にいたるまで裁きを受けさせるため、すべての加盟国に対して、アルジェリア政府にできるかぎりの協力をするよう呼びかけています。 “武装勢力が人質殺害”国営テレビ NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014918821000.html +記事コピペ収納 “武装勢力が人質殺害”国営テレビ 1月19日 23時32分 アルジェリアの国営テレビは、日本時間の午後11時すぎ、治安当局の話として、「最後の作戦によって武装勢力11人が死亡した。人質7人は武装勢力によって殺害された。現在、武装勢力が施設の周辺に埋設した地雷の撤去にあたっている」と伝えました。 787 日米合同で機体のデータを解析 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014914661000.html +記事コピペ収納 787 日米合同で機体のデータを解析 1月19日 14時34分 K10049146611_1301191935_1301191942.mp4 全日空のボーイング787型機が高松空港に緊急着陸したトラブルで、アメリカの調査団が、19日、日本の運輸安全委員会を訪れ、全日空機のフライトレコーダーに記録された当時の機体のデータを合同で解析するなどしています。 19日午後1時すぎ、アメリカのNTSB=国家運輸安全委員会やFAA=連邦航空局などの調査団が、東京にある、日本の運輸安全委員会を訪れました。 アメリカの調査団は、18日、高松空港で、運輸安全委員会の事故調査官とともに、煙を感知し緊急着陸したボーイング787型機の機体や異常が起きたバッテリーの状況を確認しました。 バッテリーは、中のリチウムイオン電池が原形をとどめないほど炭化し、ケースのふたが膨らむなど変形していて、運輸安全委員会は、バッテリーに過剰な電気が流れて異常な高温になり、煙が発生したとみています。 このため19日は、日本の運輸安全委員会がアメリカの調査団と合同で、全日空機のフライトレコーダーに記録された当時の機体のデータを解析するなどしています。 そして、バッテリー周辺の電気の流れを詳しく調べるなどして、異常が起きた原因の調査を進めることにしています。 フライトレコーダーで何が分かる フライトレコーダーは、飛行中のパイロットの操縦や、各システムの動きなどを詳細に記録する装置で、トラブルなどの原因調査に欠かせないものです。 国の運輸安全委員会は、全日空機から取り下ろしたフライトレコーダーを持ち帰り、19日から本格的にデータの解析を始めました。 今回のトラブルで、機長席の前にあるディスプレーには、床下の電気室で「煙を感知した」という表示が出たあと、バッテリーの「電圧低下」や「充電機能に異常」といった表示が次々に出ました。 こうしたデータはフライトレコーダーに記録されていることから、運輸安全委員会は、いつ、どのような内容の不具合が表示されたのか詳しく調べることにしています。 また、各システムの電流や電圧の状況を調べるのも重要なポイントです。 フライトレコーダーには、バッテリーにつながるさまざまなシステムの電流や電圧のデータが記録されているということです。 このため運輸安全委員会は、データを基に、機内の電気の流れを幅広く確認することで、バッテリーに異常が起きた原因を調べることにしています。 ボーイング社 787型機の出荷を停止 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014912951000.html +記事コピペ収納 ボーイング社 787型機の出荷を停止 1月19日 11時35分 K10049129511_1301191220_1301191225.mp4 アメリカのボーイング社は、相次ぐトラブルで運航が停止された787型機について、バッテリーの安全が確認されるまで新しい機体の出荷を停止すると発表しました。 ボーイング社は、18日、西部ワシントン州と南部サウスカロライナ州の2つの工場で組み立てを行っているボーイング787型機について、組み立ては続けるものの、完成した機体の出荷は停止すると発表しました。 これは、FAA=アメリカ連邦航空局が「バッテリーから火が出るおそれがある」として787型機の運航を停止するよう求めたことを受けた措置で、ボーイング社は、「懸念が払拭(ふっしょく)され、必要な対策がとられたとFAAが認めるまで、出荷を停止する」としています。 ボーイング社によりますと、787型機は、先月の時点で、世界の50社以上の航空会社が合わせて848機を発注していて、これまでに全日空や日本航空など8つの航空会社に50機が出荷・納入されています。 ボーイング社は、今後、787型機を発注している航空会社などに、一連のトラブルに関する調査や運航の再開に向けた動きの進捗状況を詳しく伝えていくとしています。 除染作業で労働違反200件超 厚労省 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014909891000.html +記事コピペ収納 除染作業で労働違反200件超 厚労省 1月19日 4時22分 K10049098911_1301190519_1301190521.mp4 原発事故で広がった放射性物質を取り除く除染作業を行う事業者について、厚生労働省が調査を行った結果、作業員の安全確保や賃金などに関わる法律違反が合わせて200件以上見つかり、厚生労働省が改善を指導したことが分かりました。 厚生労働省福島労働局は、福島県内で行われている除染作業に携わる事業者について作業員の安全確保などに問題がないか調査を行っていて、先月末までの9か月間に242の事業者を対象に行った調査結果を公表しました。 それによりますと、全体の45%に当たる108の事業者で、何らかの法律違反が合わせて219件見つかったということです。 このうち、作業前に現場の放射線量などを調べていなかったケースが最も多く34件に上ったほか、次いで、雇った作業員に事前の健康診断を受けさせないといった健康診断に関わる違反が21件あったということです。 このほか、研修を受けた時間分の賃金を支払っていなかったり、健康診断の受診費用を作業員に負担させたりするなど賃金を巡る違反も6件あったということです。 厚生労働省はいずれの違反も悪質ではないと判断し、事業者に対して改善を指導したということで、引き続き調査を続けることにしています。 同僚女性警官に強要の疑い警官2人逮捕 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014915301000.html +記事コピペ収納 同僚女性警官に強要の疑い警官2人逮捕 1月19日 16時11分 K10049153011_1301191903_1301191911.mp4 神奈川県警の警察官の男2人が去年3月、カラオケ店で同僚の女性警察官に服を交換するよう強要したうえ、顔にキスをしたとして、強要などの疑いで逮捕されました。 2人のうち1人は容疑を否認しているということです。 逮捕されたのはいずれも当時、大和警察署に所属していた、神奈川県警察本部交通総務課の巡査部長、森克演容疑者(35)と、暴力団対策課の巡査部長、荒川好和容疑者(38)の2人です。 警察の調べによりますと、2人は去年3月、神奈川県大和市のカラオケ店に当時、同僚だった20代の女性警察官を呼び出し、「服を交換しよう」と言ってシャツやズボンを交換させたうえ、森巡査部長が女性警察官の顔にキスをしたとして、強要と暴行の疑いが持たれています。 2人は当時、当直明けで、送別会の2次会としてほかの同僚2人を含めて5人で店にいたということです。 別の部署に異動した女性警察官が去年4月に上司に相談して明らかになり、警察が捜査を進めていましたが、関係者の話に食い違いがあることなどから19日、2人を逮捕しました。 警察の調べに対して森巡査部長は容疑を認め、荒川巡査部長は「飲み会を盛り上げようと誘ったが強要はしていない」と容疑を否認しているということです。 神奈川県警察本部の山岸直人警務部長は、「警察官としてあってはならない行為であり、捜査の結果を踏まえて厳正に対処したい」と話しています。 理科教諭 生徒に塩酸飲ませる NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014918601000.html +記事コピペ収納 理科教諭 生徒に塩酸飲ませる 1月19日 22時31分 愛知県蒲郡市の中学校で、先月、理科の担当教諭が、実験がうまくいかなかった生徒2人に対して水で薄めた塩酸を飲ませていたことが分かりました。 生徒は健康被害は訴えていないということですが、市の教育委員会は、教諭の処分を検討することにしています。 蒲郡市教育委員会によりますと、先月18日、市内の中学校の23歳の理科の担当教諭が、理科室での授業中に実験がうまくいかなかった生徒2人に対して塩酸を水で100倍に薄めた液体それぞれ15ミリリットルをビーカーに入れて飲ませたということです。 1人はすべて飲み干して、もう1人は口に入れたあとすぐに吐き出したということで、いずれも健康被害は訴えていないということです。 18日、一部の保護者から学校に連絡があり、教諭を問いただしたところ塩酸を飲ませたことを認めたということです。 教諭は実験前、生徒全員に「失敗したら塩酸を飲んでもらう」と話していたということで、「実験に集中してもらおうと、つい言ってしまった。 申し訳なかった」と話しているということです。 学校は生徒本人や保護者に謝罪し、教諭に対して口頭で厳しく注意しました。 蒲郡市教育委員会は今後、調査を行ったうえで、教諭の処分を検討することにしています。 首相 山口代表の訪中で関係改善期待 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014917981000.html +記事コピペ収納 首相 山口代表の訪中で関係改善期待 1月19日 20時48分 K10049179811_1301192056_1301192108.mp4 安倍総理大臣は来週中国を訪問する公明党の山口代表と会談し、山口氏の訪問が沖縄県の尖閣諸島の問題を巡って悪化している日中関係の改善につながることに期待感を示すとともに、習近平総書記宛ての親書を託す意向を伝えました。 公明党の山口代表は来週22日から4日間の日程で北京を訪問することにしていて、習近平総書記ら中国の新しい最高指導部のメンバーらとの会談を要請しています。これを前に、山口氏は19日夜、東京都内で安倍総理大臣と会談し、「日中間の関係改善を図り、首脳会談の実現に結びつけたい」と述べ、今回の訪問で、沖縄県の尖閣諸島の問題を巡って悪化している日中関係を改善する糸口を探りたいという考えを伝えました。 これに対し安倍総理大臣は「これまで中国とはいろいろなあつれきを生んできたが、政治対話を重ねて関係改善を図っていく第一歩にしてもらいたい」と述べ、山口氏の訪問が日中関係の改善につながることに期待感を示しました。 そのうえで安倍総理大臣は、習総書記宛ての親書を山口氏に託す意向を伝えました。 首相 渡辺代表と日銀総裁人事で意見交換 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014918861000.html +記事コピペ収納 首相 渡辺代表と日銀総裁人事で意見交換 1月19日 23時54分 K10049188611_1301200014_1301200015.mp4 安倍総理大臣は東京都内でみんなの党の渡辺代表らと会談し、ことし4月に任期が切れる日銀の白川総裁の後任人事などについて意見を交わしました。 会談には自民党の塩崎政務調査会長代理らも同席し、この中で安倍総理大臣は、景気回復を実現するため大胆な金融政策を行うことに改めて意欲を示しました。 これに対してみんなの党の渡辺代表は、ことし4月に任期が切れる日銀の白川総裁の後任人事について、「今までの金融政策を全面的に変える人材を登用すべきだ。博士号を持ち、英語に堪能で、マネジメント能力がある人物でなければならない」と述べました。 また、渡辺氏は「日銀の総裁人事と、政府が日銀に対して物価安定目標を設定できるようにする日銀法の改正を、ワンセットで行うべきだ」と述べました。 会談のあと、渡辺代表は記者団に対し、「大胆な金融緩和について、安倍総理大臣の決意は変わっていないと感じた。わたしの提案を真摯(しんし)に受け止めてもらったと理解している」と述べました。 橋下共同代表 みんなの党と合流したい NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014917991000.html +記事コピペ収納 橋下共同代表 みんなの党と合流したい 1月19日 20時48分 K10049179911_1301192057_1301192108.mp4 日本維新の会の橋下共同代表は東京都内で記者団に対し、夏の参議院選挙で躍進するためにも、みんなの党と合流したいという考えを示しました。 この中で橋下共同代表は、今後のみんなの党との関係について、「二大政党制を前提にしているなかで、野党が多党に分かれることは絶対に得策ではない。みんなの党は改革志向で、筋を通すぶれない姿勢であり、維新の会と同じ方向だ。あとは私や渡辺代表などのコミュニケーションの問題だ」と述べ、夏の参議院選挙で躍進するためにも、みんなの党と合流したいという考えを示しました。 また、橋下氏は「100人以上の規模で野党がまとまらないと、自公政権に対するチェック機能が働かない」と述べ、民主党の一部の議員との連携にも前向きな考えを示しました。 石原共同代表 “官僚主導の打破を” NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014917851000.html +記事コピペ収納 石原共同代表 “官僚主導の打破を” 1月19日 20時27分 日本維新の会は東京都内で先の衆議院選挙で初当選した議員らを対象に研修会を開き、石原共同代表が中央集権や官僚主導の政治体制の打破を目指す考えを強調しました。 日本維新の会は今月28日の通常国会の召集を前に、19日から2日間の日程で、先の衆議院選挙で初当選した議員らを対象に党の基本政策などについての研修会を開き、およそ50人が出席しました。冒頭、石原共同代表があいさつし、「私は知事として東京という大きな自治体を預かってきたが、いろいろな問題に直面すると、いつも中央官僚の硬直した規定が邪魔になった。自民党は昔と全く変わっておらず、政治は官僚に支配されている。硬直した政治を変えることが私たちの責任だ」と述べ、中央集権や官僚主導の政治体制の打破を目指す考えを強調しました。また、橋下共同代表は講演で、「通常国会にどう臨むかが夏の参議院選挙の結果につながる。通常国会では、国の制度や規定をこう変えたとか、政府でできないことを言い切ったとか、細かな実績を積み重ねることで改革政党だと国民に伝わるようにしてほしい」と述べました。 橋下大阪市長がまた「暴走」 入試中止に受験生から悲鳴 | ザ・リバティweb ttp //www.the-liberty.com/article.php?item_id=5478 +記事コピペ収納 橋下大阪市長がまた「暴走」 入試中止に受験生から悲鳴 2013.01.18 教師による体罰が原因で高2男子生徒が自殺した大阪市立桜宮高校の問題で、橋下徹大阪市長は同校体育系2科の今年度の入試を中止することを宣言。これに対し、受験生、保護者、一般市民からも「行き過ぎだ」と抗議が殺到している。 橋下市長は、15日の記者会見で、2月20、21日に行われる予定の同校の体育科とスポーツ健康科学科の入試を中止するよう、市教委に要請したことを明らかにした。その理由を、「クラブ活動の在り方を変えるなら保護者や生徒の意識も変わってもらわないといけない。このまま入試をすれば、同じ意識で生徒が入ってくる」と説明した。 翌16日、市教委に対し、同校普通科の入試実施についても最低条件として「校長や教員の総入れ替え」を求めた。 さらに17日には、体育系2科の入試中止方針を市教委が拒否した場合、市長として強権発動する用意があるとし、「予算の執行権は僕にある」と、教師の給与など予算面で対抗措置を取ることを明言した。 この橋下氏の方針に対して、市教委や市のホームページなどに抗議の電話やメールが相次いでいる。「受験生には罪がない」「子供の夢を摘むのか」「無関係の受験生を巻き込むのはおかしい」など。 橋下氏はこうした声に対しても、「一番重要なのは亡くなった生徒のこと。(受験生は)生きてるだけで丸もうけ。またチャンスはある」と反論している。 確かに体罰教師と、それを見逃した学校側の罪は大きい。しかし、すべての教師を入れ替えるとか、入試を中止するというのは、一部の罪を全体責任にするばかりか、受験準備をしている受験生まで切って捨てるわけで、どう見てもやり過ぎだ。 この人のいつものやり方で、まずハッタリをかまして大向こうをうならせ注目を浴びる。世論の旗色が悪いと見れば、スルリと方向転換をする。おそらく、市教委側から人事異動をある程度引き出した段階で、「受験生に配慮する」という方向で収めるつもりだろう。 しかし、これでは大学認可をほぼ決めた段階で「不認可」を打ち出して注目を浴び、旗色が悪くなって一転「認可」とやった田中真紀子・前文科相のやり方と同じではないか。田中氏はその直後の衆院選で見事に民意が離れ、落選した。 自己顕示のために受験生を「人質」に取るようなことをするのは、体罰教師のさらに上を行く「権力の暴走」だと知るべきだ。パンチをかまして役人をやっつけているつもりだろうが、ただ大きく吠えるだけで根本的解決にはならない。このような暴走市長が国政を牛耳ったらとんでもないことになるのは、今回の一件でもはっきりと見えてきた。(仁) 元横綱・大鵬の納谷幸喜さんが死去 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014915341000.html +記事コピペ収納 元横綱・大鵬の納谷幸喜さんが死去 1月19日 16時11分 大相撲史上最多の32回の優勝を果たした元横綱、大鵬の納谷幸喜さんが心室頻拍のため19日午後3時すぎ、東京都内の病院で亡くなりました。 72歳でした。 元大鵬の納谷さんは昭和15年に、当時の樺太、現在のロシアのサハリンで生まれ、北海道弟子屈町で育ちました。 昭和31年の秋場所に初土俵を踏むと、左四つからのすくい投げと上手投げが得意の型で、昭和36年の秋場所後に21歳3か月の若さで第48代横綱に昇進し、同時に横綱に昇進した柏戸と共に「柏鵬時代」と呼ばれる大相撲の一時代を築きました。 昭和46年に引退するまでに、2回の6場所連続優勝を含む通算32回の優勝を果たし、これは現在も大相撲史上最多の優勝回数となっています。 女性や子どもからも人気があり、当時、人気を集めた代表として「巨人、大鵬、卵焼き」ということばが流行語になりました。 引退後は大鵬部屋を開いて、後進の指導に当たり、元関脇の巨砲などを育て平成17年に相撲協会を定年退職しました。 また、現役時代から慈善活動に熱心で昭和44年から平成21年まで日本赤十字社に血液運搬車を寄贈し続けました。 平成21年には、文化功労者にも選ばれ引退後も大相撲界を代表する存在でした。 納谷さんは、引退後の昭和52年に脳梗塞で倒れましたが、懸命のリハビリで復帰しました。 しかし、最近は体調がすぐれず、19日午後3時すぎに心室頻拍のため東京都内の病院で亡くなりました。 安倍首相 日本外交の新5原則発表 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014909221000.html +記事コピペ収納 安倍首相 日本外交の新5原則発表 1月19日 0時29分 安倍総理大臣は、法の支配と自由で開かれた海洋の重視などを掲げた「日本外交の新たな5原則」を発表し、アジア太平洋重視の姿勢を打ち出しているアメリカのオバマ政権と連携して、海洋進出の動きを活発化させている中国をけん制していく考えを示しています。 この中で、安倍総理大臣は、まず日米同盟が日本外交の基軸だとして、「世界最大の海洋勢力であり、経済大国であるアメリカと、アジア最大の海洋民主主義、自由資本主義国で、アメリカに次ぐ経済を擁する日本が、パートナーをなすのは、理の当然だ」としています。そして、外交の新たな5原則として、自由、民主主義、基本的人権などの普遍的価値の定着と拡大や、法の支配と自由で開かれた海洋の重視、それに貿易や投資など、自由でオープンな経済や文化のつながりの充実、未来を担う世代の交流を掲げています。 このうち、海洋を巡って、安倍総理大臣は「最も大切な公共財である海は、力によってではなく、法とルールの支配するところでなくてはならない」と指摘したうえで、「アジアと太平洋に重心を移しつつあるアメリカを、大いに歓迎したい」として、アメリカのオバマ政権と連携して、海洋進出の動きを活発化させている中国を、けん制していく考えを示しています。 安倍総理大臣は、当初、今回の外交原則を訪問先のインドネシアで発表する予定でしたが、北アフリカのアルジェリアで起きた事件を受けて、帰国を早めたため、取りやめになりました。 中国船領海侵入で官邸対策室 NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014912761000.html +記事コピペ収納 中国船領海侵入で官邸対策室 1月19日 11時2分 政府は19日午前、沖縄県の尖閣諸島の沖合で、中国の海洋監視船3隻が日本の領海に侵入したことが確認されたことから、総理大臣官邸の「情報連絡室」を「官邸対策室」に切り替え、態勢を強化して情報収集と警戒に当たっています。 政府は、沖縄県の尖閣諸島の周辺で、中国当局の船や飛行機が領海や領空に侵入したり、接近したりする事案が相次いでいることから、総理大臣官邸の危機管理センターに「情報連絡室」を設置して警戒に当たっています。 政府は、中国の海洋監視船3隻が、尖閣諸島の沖合で日本の領海に侵入したことが確認されたことから、19日午前9時に、「情報連絡室」を「官邸対策室」に切り替え、態勢を強化して情報収集と警戒に当たっています。 米 尖閣問題で中国に圧力強める NHKニュース ttp //www3.nhk.or.jp/news/html/20130119/k10014911751000.html +記事コピペ収納 米 尖閣問題で中国に圧力強める 1月19日 9時34分 K10049117511_1301191217_1301191225.mp4 アメリカ政府は、沖縄県の尖閣諸島を巡る問題について、クリントン国務長官がこれまでになく強いことばで中国をけん制したうえ、直接外交ルートを通じて強硬な姿勢を改めるよう迫っており、事態の沈静化を目指して中国への圧力を強めています。 尖閣諸島を巡る問題について、クリントン国務長官は、18日、岸田外務大臣との会談後の記者会見で、「尖閣諸島を巡るアメリカの条約上の義務について改めて伝えた」と述べて、尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲だとの考えを強調しました。そのうえで、「尖閣諸島は日本の施政権下にあり、それを損なおうとする、あらゆる一方的な行為に反対を表明する」と述べて、強硬な姿勢を改めるよう中国に強く求めました。 アメリカ政府はこれまで、表向きは慎重な立場を強調し、中国側への配慮をにじませていました。 しかし、先月、中国当局の飛行機が領空を侵犯し、さらに、今月には軍用機が接近するなど中国が活動をエスカレートさせていることから、アメリカ政府の高官は、偶発的な武力衝突が起きる可能性があるとみて、急激に危機感を強めていることを明らかにしています。また、中国に対し、直接、外交ルートを通じて挑発的な行動をしないよう強く迫っているということです。 こうした強い懸念から、今回、アメリカ政府はクリントン長官みずからが公に、中国の行動に反対を表明することに踏み切ったもので、今後、中国側への圧力を強め、事態の沈静化を目指したい考えです。 中国 ロシアの戦闘機をコピーし国産開発と主張しロシア激怒 (NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース ttp //zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130116-00000007-pseven-cn +記事コピペ収納 中国 ロシアの戦闘機をコピーし国産開発と主張しロシア激怒 NEWS ポストセブン 1月16日(水)7時6分配信 日本や東南アジア諸国に威嚇する中国人民解放軍だが、その実力は本当に周辺諸国の脅威たるものなのか。軍事ジャーナリスト、清谷信一氏は、人民解放軍の陸上兵器や空母、その搭載兵器は西側に大きく劣ると指摘する。曰く「外見だけは似ているが“プラモデル”のようなもの」だというでは空軍兵器についてはどうなのか。 * * 戦闘機や攻撃機でも質・能力ともに劣っている。当初、ロシアからスホーイ(Su)27の艦載型Su-33を導入する予定だったが、ロシアが拒否。中国はSu-27を無断でコピーしてJ-11Bを開発、これを独自の国産開発だと主張してロシアを怒らせた。それでも凝りずにSu-33の情報と試作機をウクライナから調達し、コピーしたJ-15を開発してロシアをさらに怒らせた。 実は、中国が国産開発と主張したJ-11Bは、飛行時の異常振動などのために人民解放軍が受け取りを拒否している。しょせん粗悪なコピーしか作れない技術力だから、さらに難度の高い艦載機を容易に開発できるとは思えない。 自国開発のJ-10、パキスタンとの共同開発のJF-7をベースにした艦載機を開発しているが、いずれもエンジンはロシア製だ。ロシアがエンジン供給を止めればどうなるかは言うまでもないだろう。 第5世代と言われるJ-20も「ステルス」というカテゴリーで語られるため脅威に思われるが、ステルスを実戦で使えるレベルで完成させるためには強力なエンジンと、ネットワークによる情報の送受信など様々なソフトウェアの蓄積が必要だ。しかし、中国にそこまでの蓄積も成熟も見られない。ボーイング社のある幹部は「米国のステルス機とは30年の差がある」と断言した。 ※SAPIO2013年2月号 中国が鳩山由紀夫元首相を招いた真の目的は、期待している安倍晋三首相に対する「SOS」のメッセージだ(板垣英憲) - BLOGOS(ブロゴス) ttp //blogos.com/article/54262/ +記事コピペ収納 中国が鳩山由紀夫元首相を招いた真の目的は、期待している安倍晋三首相に対する「SOS」のメッセージだ 板垣英憲 2013年01月18日 04 30 ◆中国に招待されている鳩山由紀夫元首相が、尖閣諸島の領有権問題について、「係争地であると互いに認めることが大事だ」との考えを中国側に伝えたことが報道されたのを受けて、日本国内の「好戦主義者」や「保守主義者」「米国追随主義者」たちが、猛烈に反発している。 その大半は、「日本政府が、尖閣諸島は、日本固有の領土あり、領土問題は存在しないと表明しているのに、いかにも紛争地帯になっていると認めるような発言をするのは、政府見解に反する。勝手な発言をするな」というので、中国に対しても「何の権限も地位もない鳩山由紀夫元首相を相手にするな」と批判している。 しかし、尖閣諸島には領土問題は存在しないという日本政府の主張は正しいとしても、ならば、中国公船あるいは艦船、さらに航空機による度重なる領海、領空侵犯事件に対して、海上保安庁、海上自衛隊、航空自衛隊による少なくとも「威嚇射撃」程度のことを、なぜしないのか。明らかな領土・領海・領空侵犯事件が起これば、自動的に「威嚇射撃」してしかるべきである。憲法9条の制約を気にしているのであれば、それは間違いである。場合によっては、撃沈、撃墜するのが、国際法上、常識であるからだ。 そのような覚悟もないのに、「領土問題は存在しない」といくら喚いても説得力はない。もしかしたら、中国公船あるいは艦船、さらに航空機による度重なる領海、領空侵犯事件は、「事件ではない」とでも、言い張るつもりなのであろうか。これは、どこから見ても、「中国共産党一党独裁北京政府による侵略」である。この侵略に対して敢然と撃退しなくてはならないのに、それもしないで、「領土問題は存在しない」と言い続けているのは、逆に言えば、中国公船あるいは艦船、さらに航空機による度重なる領海、領空侵犯事件は、「事件ではない」と明言しているのに等しい。領海、領空侵犯事件でないのであるから、中國は、平気でどんどん侵犯をエスカレートさせてくる。 この意味で、鳩山由紀夫元首相が、「中国公船あるいは艦船、さらに航空機による度重なる領海、領空侵犯事件」を捉えて、「紛争が起きているのは事実」と発言したのは、極めて正しい。 毎日新聞毎日jpは 1月16日午後11時40分、「鳩山元首相>訪中し『尖閣紛争認めることが大事』伝達」という見出しをつけて、以下のように配信している。 「【北京・工藤哲】北京訪問中の鳩山由紀夫元首相は16日、賈慶林(か・けいりん)・中国人民政治協商会議主席や楊潔チ(よう・けつち)外相と相次いで会談した。鳩山氏は会談後、記者団に対し、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)を巡る問題についても意見交換したことを明かし『紛争が起きているのは事実で、互いに認めることが大事という考えを伝えた』と語った。日本政府の『領土問題は存在しない』とする公式の立場とは異なる見解を伝えた形だ。鳩山氏は中国側の招待で訪中。記者団に『歴史的事実を認め、日本国民も感情的にならず、冷静に処理をして早く日中間が正常な状態になり、互いに利益のある関係に戻すことが大事だ。早期に外相・首脳会談を行い、問題の答えを見いだすべきだ』と語った。鳩山氏によると、賈氏は『(日本側は)新政権になったのでしっかりした答えを出してほしい。問題はあくまで対話で解決をしたい』などと語ったという」 ◆それにしても、中国が、賈慶林(か・けいりん)・中国人民政治協商会議主席や楊潔チ(よう・けつち)外相らが、鳩山由紀夫元首相をわざわざ招待したということは、中国が本当に困っているという何よりもの証である。2012年秋の「反日デモ・暴動」によって、日中貿易が大打撃を被っているからだ。経済成長も大幅にダウンしている。こればかりではない。最近の中国は、公害問題・環境悪化問題が、ますます深刻化している。石炭を燃やし続けて、視界が最悪化している内陸部の重慶市ばかりでなく、北京市の大気もひどいという。このため、多くの人民が、空気洗浄機を買っている。水は、伝統的に悪く、とても飲めるようなシロモノではない。それでも飲むしかない。公害問題・環境悪化問題は、中国全土におよんでいる。 安倍晋三首相は、第1次内閣を樹立する前に、中国に対するODA(政府援助)を従来型の「環境型」に変えて、継続することを約束し、実行してきた。中国は、資金援助だけでなく、世界最高水準にある日本の環境技術に期待したのである。だが、それでも、中国の公害問題、環境悪化問題の進行は、言語を絶する勢いだという。そうした切実な問題を抱えているからこそ、鳩山由紀夫元首相を招いたのである。これは、安倍晋三首相への期待感の表れであり、「SOS」のメッセージでもある。 ◆日本にとっても、中国との関係をこのまま「手詰まり状態」にし続けていると、景気に対する大打撃ともなる。アベノミクスが、ただの「夢物語」に終わってしまう公算が大となる。しかるに、いまの安倍晋三首相は、米国CIA対日工作者の軍門に下っていて、対中国政策も思うように展開できない。「戦略的互恵関係」と言っているけれど、いまや「空念仏」になっているのだ。 この結果、日本経済と景気はとうなるか。朝日新聞は1月16日付け夕刊「2面」で、「日本の成長率予想下げ」「0.8%に 世銀『対中輸出が急減』」という見出しをつけて、暗い見通しを報じている。 朝日新聞「中国機信号射撃方針」記事 防衛相が抗議、「誤報ではないか」との声 J-CASTニュース ttp //www.j-cast.com/2013/01/18161867.html?p=all +記事コピペ収納 朝日新聞「中国機信号射撃方針」記事 防衛相が抗議、「誤報ではないか」との声 2013/1/18 18 16 小野寺五典防衛相が中国機の領空侵犯が続けば警告射撃する方針を表明したと朝日新聞が報じたことに対し、ネット上で、「誤報ではないか」との指摘が相次いでいる。中国でもこの内容の報道が波紋を広げており、防衛相はテレビで「記事の内容は違う」として抗議したことを明らかにした。 朝日の記事は、小野寺防衛相が2013年1月15日の会見で発言したことを伝えたものだ。 人民網が「朝日が誤って伝えている」と異例の記事 記事では、「尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領空で中国機が無線などによる警告を無視して領空侵犯を続けた場合、警告のため曳光(えいこう)弾で信号射撃をする方針を表明した」とあり、それは、「領空侵犯への対処手順を示し、中国側を牽制する狙い」と報じている。続けて、小野寺防衛相は、「国際的な基準に合わせ間違いない対応を備えている」と発言したと伝えた。 これに対し、マスコミ報道を検証するサイト「Gohoo」がこの日、防衛省サイトにアップされた会見概要と突き合わせ、こうした方針の発言はなかったと指摘した。報道は誤解される恐れがあり、実際、朝日の中国語版でも報じられて、中国で「大臣の発言」だとして大きな波紋を呼んでいるとした。中国では、「環球時報」といった大手メディアも報道を紹介していた。 この騒ぎに驚いたのか、警告射撃について防衛相に質問した香港メディアの記者は、朝日の報道は間違っているとミニブログに書き込んだ。「国際的な基準に合わせ間違いない対応を備えている」という発言はしているものの、防衛相は射撃方針を明言してはいなかったというのだ。 中国国内では、日中開戦すら臭わす人民解放軍幹部らの強硬な発言が相次いでいると報じられている。さらに強硬論に火が点くのを中国政府が恐れたのか、共産党機関紙のサイト「人民網」は16日、香港メディア記者の書き込みを紹介して、朝日が誤って伝えていると異例の記事を載せた。 確かに、防衛省の会見概要を見ると、小野寺防衛相が射撃方針を示したということは一言も書かれていない。 朝日「防衛相の説明をわかりやすく伝えた」 過去には、1987年に旧ソ連の偵察機が領空侵犯をしたとき、自衛隊機が警告射撃したことはあり、朝日新聞も記事の中でそのことに触れている。しかし、だからと言って、今回も射撃するとは限らないのではないかと、ネット上で疑問が相次いでいるのだ。 軍事問題などを書いているブログ「週刊オブイェクト」は、旧ソ連のケースでは、偵察機が沖縄本島の自衛隊・米軍基地上空を通過し、米軍機も上空待機していたことから、特殊な状況にあったと指摘した。今回、中国機が尖閣上空を何度か通過したとしても、同じように警告射撃されるとは解釈できないというわけだ。 小野寺五典防衛相は2013年1月17日にBSフジ・プライムニュースに出演し、再び警告射撃について問われ、「一言も言っていません」とした。そして、書いた新聞に対してこの日、「記事の内容は少し違うんではないですか」と抗議したことを明らかにした。防衛省の報道担当者は、取材に対し、抗議のことは聞いていないとしながらも、「新聞社が解釈して書いていましたが、射撃方針まで言っていなかったと思います」と言っている。 朝日新聞社の広報部では、防衛相が領空侵犯にしっかり対応する方針は変わっていないと会見で述べたことに触れ、「防衛相がこのように説明した『対応』『方針』の中身を読者にわかりやすく伝えるため」と報道について釈明した。そして、無線連絡をしたり機体を振って伝えたりしても従わない場合に警告射撃すると、「自衛隊法に基づく防衛省の対応の手順を記事中に明記しました」と言っている。 サイト上の記事では、見出しが防衛相のカギカッコ付き発言だったのを、カギカッコを取って「防衛相方針」と後に変えている。これは、異論が寄せられるなどしたため、急きょ訂正したのか。この点については、広報部では、何も説明しなかった。 痛いニュース(ノ∀`) 【画像】 週刊朝日の表紙がひどいと話題に - ライブドアブログ ttp //blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1742918.html 名前 コメント ◇◆前へ/次へ/目次へ
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(前回の話はコチラ→鏡台嫁1) 16 :前スレ882:2007/04/27(金) 18 16 49 皆さんありがとう!すごく参考になりました。 言われた事は試したくなるタチですw 茶器をついうっかり粉々にした時ですが、ウトメは一瞬悲鳴をあげてましたがすぐに私が 「ごめんなさい手が滑りました!悪気はないので許してもらえますよね? いやはや私ってやはり駄目な嫁ですね 片親育ちはこれだから、ですよねごもっともです。私はお情けで旦那君と結婚させて いただきとにかく○○家のやり方を覚える事と早く孫をオトウサマオカアサマに抱かせる事を 一番に考えていきますのでどうかお許しくださいね」 とウトメが言いたかった事、なんべんも言ってる事を一気にまくしたてたので 向こうは何も言えず 「分かったならいいんだ」「嫁子さんその言葉を待ってたわ」とだけ 呆然としつつ呟いてましたねー こんな女じゃなかったはずなのにな。でもかあちゃんの鏡台を 使えるような大人になりたいという思いが母無し子だった私の人生を支えてきたので 今は全てが真っ白なんです。 19 :前スレ882:2007/04/27(金) 18 35 12 捨てられたと分かった日はもうよく覚えてないくらい泣き叫んでしまいました。 新婚旅行中に捨てられたんです。 ウトメは私に対したくさん不満があるそうですが何よりもが母の思い出を大事にしている事が気に入らなかったみたいです。 婚約時代うっかり鏡台の事を話してしまった私自身を責めずにはいられない… 旦那もショックを受け絶縁して良いといってくれてますが私は仕返しがしたいんです。 20 :名無しさん@HOME:2007/04/27(金) 18 39 05 。・゚・(ノД`)・゚・。 思う存分仕返ししていいとオモ。 21 :名無しさん@HOME:2007/04/27(金) 18 40 38 16 どれほど大層な茶器かは知らないが、 揃になっていて他にも湯冷ましだの残っているならば うっかり全部を土に返してやるのもよろしかろうw 備前や金彩入りのものなら、 うっかり電子レンジに入れてチンしてやればいい。 真面目な話、形見を解体したというクソが、 自分の茶器だけは器用に大事に扱ってるわけがない。 つか、器好きとして同士とは絶対認めたくない心胆だ……_| ̄|○ 22 :名無しさん@HOME:2007/04/27(金) 18 41 01 存分に仕返して気がすんだらさくっと絶縁! それまで「うっかり」街道爆走だ! 応援してます。 152 :鏡台嫁 ◆.ZfwcwgXgA:2007/04/27(金) 23 01 02 今旦那と飲みに行ってました。ご意見ありがとうございます。 鏡台は母が天国で使ってるとの意見、思わず泣いてしまいました。お酒入ってるせいですかね。 でも私の中で母は絶対なくらい一番の存在なので…。 旦那は「君の気のすむようにしてほしい、何かあっても俺が責任取る」と言ってくれてます。 母が云々言われると本当に辛いですが本当に私の気が済まないんです。 勿論ゴールデンウィーク後に絶縁するつもりです。 復讐が何も産まない事は分かってるけど…でも今は母が毎日 座ってたあの鏡台を失った怒りと喪失感しかないんです。 NEXT→7300円嫁
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このページの閲覧数 【合計: - 】 【今日: - 】 【昨日: - 】【音楽】/山本リンダを替え歌「NHK解体の歌!こまっちゃうな」https //www21.atwiki.jp/welovejapan/pages/329.html 歌詞 NHK解体の歌!こまっちゃうな http //www.youtube.com/watch?v=h7VSi3zv5vw#t=2m57s (NHKこまっちゃうな いきま~す♪) こまっちゃうな、捏造バレちゃった 受信料、解約されるかな 抗議の人たち、怖いような ドキドキしちゃう、私は NHK 会長に聞いたら 何にも言わずに責任逃れで こまっちゃうな 反日NHK どうしよう 解体しちゃおうかな こまっちゃうな、嘘つきNHK どうしても拒否拒否、受信料 抗議とデモで、怖がるように ドキドキさせて、解体 NHK! 最高年収、何にもしなくて無駄飯喰らって こまっちゃうな、訴えられちゃった こまっちゃうな、捏造バレちゃった 受信料、解約されるかな 台湾人も、日本人も 解体 NHK! 受信料拒否! 反日 売国 捏造 歪曲 偏向放送 こまっちゃうな、解体 NHK!! (NHK解体 うそ~NHKって最低)
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【種別】 施設 【初出】 十二巻 【解説】 学園都市にかつて存在した、多重能力者の研究・実験施設。通称『特力研』。 「多重能力の実現は不可能である」という学説はここで行われた実験で示された。 つまりその結論に至るまで延々と「失敗」を繰り返してきたということであり、 多くの子供たちが犠牲となった場所である。 それでも学園都市の闇の中では生ぬるい部類に入るらしい。 一方通行が九歳まで放りこまれていた学校であり、 当時も「敷地内に死体処分場が有る」と噂されていたが、実際はそれ以上であった。 この施設を制圧・解体したのは黄泉川愛穂の部隊であるらしい。
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「全員、手はきれいに洗って来たね?それじゃあ晩ご飯にしよう!」 清潔な白いケットをエプロン代わりに腰に巻き、タオルをふんわり頭に被り後ろで縛った「姉さんかぶり」の出で立ちのミハルは、両手を腰に胸を張り、テーブルに着席した一同に笑顔でそう宣言した。 ミハルの横で彼女と同じスタイルをして立つハマーンも、何やら緊張した顔で頷いている。 このミハル・ラトキエという17歳の少女には、こういう家庭的で少々レトロなスタイルが実に良く似合うのだなとシャア・アズナブルはぼんやり考えていた。 どちらかというと痩身気味の彼女だが、むくつけき男達を前に物怖じせず、堂に入ったその態度は貫禄十分である。 恐らく調理場を仕切った時からここはミハルのフィールドとなったのだ。すべからくここにいる男達は、母親を前にした幼い子供の様に、彼女に逆らう事は許されない何かを感じてしまっている。 もちろんそれはこの場限りのものではあるだろうが、部隊指揮官の目から見ても「見事な人心掌握術」と言えない事もなかった。 士官学校時代から何かと女性に不自由しなかったシャアではあるが、こういった雰囲気を醸し出す女性は今まで彼の周りにはおらず、彼女の一挙手一投足が実に新鮮に映り、目が離せない。 サムソンの車内ではあえて彼女と離れた場所に座り一言も彼女とは会話しなかったシャアだが、やはり無意識に視線は彼女に向いていた。 その眼差しを隠すのに、彼の仮面はこの上なく役に立っていたのである。 普段は会議用に使用される楕円形のテーブルに着席している一同の前にミハルとハマーンの手によって置かれたのは、3つの大ぶりな平皿にそれぞれ積み上げられたサンドイッチの山だった。 この人数にこの量はさすがに多すぎるのではないだろうかと、まず誰もがそう思った。 やや厚めに切られたパンの中には、得体の知れない桃色の物体がたっぷりとはさみ込まれている。 3皿のサンドイッチ全てがそれなので、えり好みは不可能だ。 薄気味悪そうにこのパンには一体何が挟んであるんだと目で問うクランプに、判りませんやと小さく肩を竦めるコズン。 ちゃんと今夜の糧を神様に感謝するんだよと言いながら一同を見回し終えると、ミハルとハマーンの二人は忙しそうにそのまま部屋を出て、再びキッチンへと消えてしまった。 後には、目の前のサンドイッチを凝視する一同の醸し出す何とも言えない空気が残された。が――― 「お、お待ち下さいシャア大佐!」 慌てた様なアンディの声で、シャアは手袋を脱いでサンドイッチに伸ばし掛けていた手を止めざるを得なかった。 「何だ」 「あ、いえ、大佐は大事なお体なのです!オデッサも控える今、得体の知れないモノを食して体調でも崩されたら一大事!!」 少しばかり不満そうなシャアに小声で答えたアンディの言い分に、ピンク色のサンドイッチを見ながら確かにそうだとその場の全員が頷く。 こういう場合、リトマス試験紙、悪く言えば毒見役的な役割を担うのは、やはり一番立場の弱い者になるのは世の常であろう。 うず高く積み上げられた正体不明なサンドイッチを前に、場の空気を読んだ一人が、実に消極的な挙手をした。 「・・・まずは自分が」 「判ってるじゃねえかバーニィ!お前も使えるオトコになったモンだぜ!!」 悲壮な決意をその顔色に滲ませながら名乗り出たバーニィの背中をコズンが嬉しそうにバンバンと叩いている。 「あはははh・・・それ程でもありませんよ・・・」 その衝撃に指で摘んだサンドイッチを取り落としそうになりながらも周囲が固唾を呑んで見つめる中、バーニィは思い切ってソレをぱくりと口に入れ、数回咀嚼し・・・飲み込んだ。 「ど、どうだ!?」 まん丸に見開かれたバーニィの瞳を見たコズンが今更な心配声をかける。 が、上気した顔で、バーニィは勢い良く頷いた。 手には既に二つ目のサンドイッチが摘まれている。 「コレ美味いです!もの凄く美味い!!」 「何だとお!?お前、俺達を地獄の道連れにしようってんじゃないだろうなっ!?」 「そう思われるのでしたら、コズン中尉の分は自分が頂きますが宜しいですか?」 「!」 瞬く間にバーニィが手にした二つ目を食べ終えたその途端、再び伸ばした彼の手を跳ね除けたコズンを含め、サンドイッチの山に一同はわらわらと一斉に手を伸ばした。 正味の話、もういい加減に全員腹が減っていたのだ。 見てくれは悪いサンドイッチだが、食えるとなれば話は別だ。 しかしその味は、遙かに皆の想像を越えていたのである。 「うお美味ぇ!なんだコリャ!?」 「確かに良い味だ、いやこれは金が取れるぞ。酒にも合いそうだ」 光の早さで一切れを食べ終えたコズンはすかさず2つ目を手にし、クランプはしきりと関心した様に食べかけのサンドイッチを見つめている。 こう見えてクランプは料理もやる。開戦前までサイド3でバーテンをしていた事もあり、彼の舌は確かである。 「このパンの中身は・・・ポテトサラダだな。 それに生のタラコをレッドチリソースに漬け込んでほぐした物を混ぜてあるらしい。 だから全体がこの様な色になっているんだ。 なるほど、辛さのアクセントがジャガイモのコクを引き出していて実に旨い。ビネガーの効き具合も、絶妙だ」 まじめな顔でサンドイッチの分析をしているクランプの横でシャアは満足そうに口を動かし、2つ目を喉に詰めたコズンが慌ててミネラルウオーターで流し込んでいる。 確かにこれがビールだったら最高だろう。 「タラコって何です?」 「魚の卵ですよ准尉。コロニーでは高級品ですが地球では割と安価で手に入る食材です」 こちらでは夢中でサンドイッチを頬張るアムロの問いに、彼の右隣に座ったニムバスが丁寧に答えている。 サイド7に移り住むまでは地球で育ったというアムロでも良く覚えていない様な事を、すらすらと話せるニムバスの知識は結構凄いなと考えていたバーニィは、再び部屋に入って来たハマーンの姿を目に留めた。 「あ、アムロ、あのその、こ、これも食べてmてくr」 後半のセリフを噛みながらも思い切って差し出されたモノにアムロは驚きつつ絶句した。 ハマーンの名誉のためにもここは敢えて、そのモノの描写を避ける。 「こ、これは・・・」 「ハマーンはあんたの為に生まれて初めて料理をして、一生懸命これを作ったんだよ。気持ちを酌んでおやりよ」 恥ずかしそうに顔を伏せるハマーンの後からやって来たミハルが、苦笑いしながらアムロにそう進言した。 彼女の手には熱々のシチューが入った大きな煮込み鍋の乗ったキャスターが押されている。 「ほう・・・!」 香ばしく食欲をそそる香りに皆が思わず唸った。 その魚介類がふんだんに入ったブイヤベースの深皿が各人の前に一つずつ行きわたってゆくのを見たシャアとアンディは、通信室で微かに香っていたのはこれだったのだと得心したのである。 「おおお!これまたべらぼうに美味いぜ!」 「これは凄い。よくこの短時間でこんなに深みのある味を出せたものだ」 「食材の中にぶどう酒があったからね、それも使ってみたんだよ」 またも一同から巻き起こった賞賛の嵐に面映ゆそうにミハルが答えているその横で、問題のブツを前にして固まってしまったアムロは、だらだらと汗を流し、密かに助けを乞う視線をちらりと隣のバーニィに送ったが 「准尉!ハマーン嬢の気持ちに答えるためにも、これは、覚悟を決めるしかありませんよ?」 自分は美味そうにブイヤベースをかき込みつつ、バーニィはニヤニヤしながらアムロの恨めしそうな視線を断ち切ってしまったのである。 驚いたアムロは一縷の望みを込めて反対隣に座るニムバスに視線を向けた。しかし・・・ 「騎士たるものの心得として、女性に恥をかかせる事など言語道断。 ・・・骨は拾って差し上げます」 ぴしゃりとニムバスにもそう言われてしまった。 ここに、アムロの退路は完全に断たれたのである。 「ミ、ミハルは心を込めて料理を作れば失敗はないと言ったぞ?」 「あり、がとう、ハマーン、失敗なん、てあるは、ずないさ」 自らが作ったモノを必死にアピールするハマーンにスタッカートで答えながら、アムロは震える手で、パッと見●●●にしか見えない件のブツをつまみ上げ、ぱくりと口に入れた。 「・・・・・・・・・・・・こっっっ」 瞬間、口の中の水分を全部持っていかれてしまったアムロは、パッサパサ言いながらラインダンスを踊るウサギ達の幻影を垣間見た。 何かを求めるように中空をヒラつくアムロの手にしっかりとミネラルウォーターのボトルを握らせてやるニムバス。 ものすごい勢いでブツを飲み下しているアムロの背中を気の毒そうにさするバーニィ。 何だかんだでこの三人、チームワーク抜群である。 ぜえぜえ言いながら顔を上げたアムロの目に、ぎゅっと両手を握り込み自分を凝視しているハマーンの顔が映った。彼女は、アムロの言葉をじっと待っている。 「・・・准尉」 小声でニムバスに促されたアムロは息を整え、少々引きつった顔でハマーンに笑顔を向けた。 「ありがとうハマーン。とても美味しかった」 その瞬間、自信なさげだったハマーンの顔が、ぱあっと喜びに輝いた。 「ミハル!ミハル!やった!アムロがおいしいって!!」 「良かったねハマーン。だから言っただろう?心配ないってさ」 「うん!うん!」 ぴょんぴょん跳び跳ねながら喜んでいるハマーンにバレない様にミハルはアムロに感謝の視線を送って来、アムロはこっそりと溜息を吐き出した。 「ご立派です」 再びアムロに顔を近付けて小声で囁いたニムバスは何だかやけに嬉しげであった。バーニィも安堵したように胸をなで下ろしている。 が、漏れ聞こえてきたハマーンの次の言葉に、三人はびくりと身を竦めたのである。 「そうだ!今後はずっと、アムロの食事は私が作ろう!」 まるで超音波の様にか細く甲高いアムロの悲鳴を、顔を近付けていたニムバスだけが聞く事ができた。 「だめだよハマーン。過ぎたエコヒイキはグループの和を乱す原因になるのさ。 ハマーンだって、もし自分だけが毎回食べる食事にデザートが付いていたりしたら、気まずいだろ? アムロにそんな思いをさせたいのかい?」 「・・・そうか、そうだな。うん。それはだめだ」 ミハル、ナイスフォロー! 納得して頷くハマーンの肩越しに微笑むミハルに今度はアムロ、ニムバス、バーニィが感謝の視線を送る番だった。 あれほど量が多すぎると思われていたミハルのサンドイッチはいつの間にか全て一同の腹に収まってしまい、ブイヤベースが入っていた大鍋は空になった。 ミハルの出してくれた食後のコーヒーを飲みながら、一同は満ちたりた様子で女性陣を交えて談笑している。 自分は会話に加わらず部屋の奥からその光景を眺めていたシャアは、一同のミハルを見る視線と態度がこれまでとは大きく変わっているのを実感していた。 戦場において、有り合わせの食材でうまいメシを作れる人員は、それだけで皆から大事に扱われるものなのである。 それは今も昔も変わらない現象だが、ミハルは実力で自らの居場所を勝ち取ったのだった。 今後のミハルの処遇に少なからず頭を悩ませていたシャアは、肩の荷が少しだけ降りた事を密かに喜んでいた。 「大佐、それではそろそろ」 「うん」 アンディに促されたシャアは、全員に着席する様に命じた。 これからすべき議題と確認事項は山ほどある。長い会議になりそうだ。 しかし、皆、気力が漲っている。まるでこれまでの疲れがどこかに吹き飛んでしまったかの様だ。 これもミハルのお陰かなと考えながら、シャアは作戦会議の開始を宣言した。 クレタ島の東に位置する【ロドス】はエーゲ海南部ドデカネス諸島に属する島である。 ベドウィン作戦発動中、ランバ・ラルはオデッサにおいてシャアと合流する計画を立て、事情を知るシーマ・ガラハウ中佐を通じサイド3に密使を送り、父ジンバ・ラルの同士であったアンリ・シュレッサー准将にこれまでの経緯を説明すると共に協力を仰ぎ、その際補給をも要請していた。 そして『速やかに全ての準備を整える』というシュレッサーの力強い返答を携えて、アンディはシャアの元に赴いたのである。 この補給ラインが確保されていたからこそ、シャアはマ・クベと思うさまに渡り合う事ができた。 補給受領の地点は、地理的にもクレタ島に近くジオン軍の大規模集積基地のある、このロドス島が最適だった。 ロドス島港湾内にあるジオン軍物資集積基地に、クレタ島ザクロスから飛来した輸送機が到着したのは正午近くの事だった。 輸送機に乗り込んでいたシャア達一行は現在、滑走路の中央に位置したポートから兵員輸送用の大型エレカに乗り換え、大型格納庫を兼ねた基地施設のメインビルに向かって移動している。 「おっと姐御・・・どうやら奴っこさん達が到着したようだぜ。ちっとばかり、予定より早い到着だったな」 メインビル最上階にある士官専用スイートルームの窓に、立ったまま背中を預け、肩越しに外へ目をやっていたジョニー・ライデンはそう言って苦笑する。 低い位置からライデンの顔を妖艶な眼差しで見上げていたシーマ・ガラハウは、名残惜しそうに彼から身を離すとスカーフで唇の端を拭い、床に着いていた両膝を払って立ち上がった。 「久々に二人きりになれたってのに全く・・・気の利かない連中だねぇ。おや」 ライデンと同じ様に窓から地上を見下ろしたシーマは、施設前に止まったエレカを降り立ち、こちらを見上げた赤毛の少年兵と目が合った。 いや、常識的に考えれば「目が合った気がした」というのが正しいのかも知れない。 地中海の強い日差しを避ける為マジックミラーとなっている地上4階にあるこの窓の中が、外から見える筈が無いからである。 が、シーマはその少年の相変わらずのカンの良さを常識に当て嵌め「見くびって」やるつもりは微塵も無かった。 「あのボウヤも一緒じゃないか。ふふふ、相変わらず食えない子だねぇ。アタシらがここにいる事、見抜かれたよ」 「楽しそうだな、姐御」 「何言ってんだいジョニー。アンタの方がよっぽど楽しそうな顔してるくせにさ」 呆れ顔でそう言いながら頬を小突くシーマにライデンは違いないと陽気に笑う。 「楽しくない訳が無いだろう。見ろ、今出て来たのが赤い彗星だ」 ライデンの鋭い眼光は、一行の最後にエレカから地上に降り立った仮面の男をまるで値踏みする様に捉えていた。 「さあて・・・噂のシャア・アズナブルが俺達のボスにふさわしい野郎かどうか、じっくり見極めさせて貰うぜ」 「あんまり突っかかるんじゃないよ?御輿ってのは見栄えと権威さえあれば良いんだ。後は担ぎ手次第でどうにでもなるもんなんだからね」 「姐御に逆らう訳じゃないが、そいつは聞けない相談だな」 そう言いながら、きらきらした少年の眼でライデンはシーマを見つめて来る。 ああまたこの男の悪い癖が出てしまったと頭を抱えたくなるシーマだったが、その邪気のない瞳に彼女は、弱い。 「せっかく同じ【赤】の通り名を持つ者同士が出会えたんだ。どちらがその色にふさわしいか、勝負だ」 「ジョニー・・・」 「おごっ!」 いきなりシーマは、ライデンの腹部(※下腹部ではない)に鉄拳を打ち込んだのである。 ・・・しかしシーマの拳は瞬時に鋼と化したライデンの腹筋に阻まれ、めり込ませる事ができていない。 逆にシーマの手首の方が痛かった程だ。が、彼女は構わず彼の腹にグリグリと拳を押し付けている。 「くだらない対抗心を起こすんじゃないよ?いいかい、アタシらにはもう乗り換える船は無いんだ!」 「いてててて姐御、冗談だ冗談!」 「アンタが言うと、冗談に聞こえないんだよ!いいかい、くれぐれも・・・」 眉間に深い縦皺を刻み込み、噛み付きそうな勢いで顔を寄せたシーマにライデンは何と素早くキスをしてから逃げる様に身を離したのである。その軽薄な行動が、シーマの頭に瞬時に血を上らせる。 「このっ!!誤魔化すんじゃないっ!!」 その言葉とは裏腹に若干顔を赤らめながらも、ライデンの顔面とボディに向けて次々と本気のパンチと蹴りを繰り出すシーマ。 当たり所が悪ければ脳震盪では済まない海兵隊仕込みの実戦的なマーシャルアーツである。 しかし彼女のそんな洒落にならない攻撃を、姐御は受けに回ると滅法弱いんだよなあと笑いながら、軽いフットワークでライデンは見事に全て躱し切って見せた。 やがて呆れつつ楽しげに笑いだしたシーマに釣られてライデンも笑う。打ちも打ったり、避けも避けたり、体術の教本にしたい程レベルの高い格闘術の応酬の末、ウヤムヤのうちに今回の痴話喧嘩モドキは終了となった。 過激すぎる2人の蜜月的な関係は、この数分間のやり取りに集約されていた。 常人には到底理解し得ない、これが何人も立ち入る事のできない彼等だけのスタイルなのであった。 シーマの部下に先導されるまま、格納庫内に足を踏み入れたシャア達一行は、簡易MSハンガーに所狭しと屹立している『サイド3からの補給物資』であるという6機のMS-06を見て、それぞれに微妙な表情を浮かべていた。 ビームライフルを標準装備し、量産機として正式採用されたばかりだというMS-14【ゲルググ】は高望み過ぎるにしても、少なくとも【グフ】や【ドム】ぐらいは欲しかった所だ。 連邦軍の高性能MS配備が着実に進んでいる今、既に旧式となってしまった感のあるMS-06【ザク】で激戦が予想されるオデッサに挑むのは、心もとない・・・と、いうのが一同の正直な感想だった。 もちろん贅沢など言えるものではないが、ザクの標準兵装である120?マシンガンでは連邦MSの装甲を抜けない、のは実証済みなのである。 ザクで編成した部隊では敵のMSを含む主力と対した場合、恐らく苦戦は免れないだろう。 「お?おお!?良く見りゃこいつはすげえぞ・・・!」 しかしMSの一体を間近で見た途端、一行の先頭を歩いていたコズンが口笛を吹いた。 「シャア大佐!コイツは只のザクじゃありませんぜ!噂に聞いていた新型でさあ!」 「ふむ、どうやらその様だな」 シャアもコズンと共にMSを見上げて確信した。艶消しのボディに鈍く採光を照り返すザクは通常のMS-06よりも頭部が扁平形であり胸板が厚い。 随分と足周りも頑丈になっている様に見える。装甲の内側にちらりと覗く大型のバーニアは、もしかしたら宇宙での使用に限定されたものでは無いのかも知れない。 ずらりと壁面のラックに並んでいるMS専用マシンガンも通常のものとは明らかに形が違う。 「そのザクは統合整備計画の産物さね」 「シーマ中佐!ライデン曹長!」 一行の背後から掛けられた声にいち早く振り向いたアムロが、ライデンを従えてこちらに歩き来るシーマに敬礼する。 彼等と共に酒を酌み交わした仲であるクランプとコズンは親しげに、バーニィは少々緊張気味に、そしてこれが初対面となるニムバスは儀礼的な敬礼をそれぞれ振り向けている。 答礼を返すシーマの顔に疲れは見えたが、その血色は以前よりも随分良くなっている事にアムロは気付き、それが何より嬉しかった。 ミハルとハマーンを除いた全ての人員が互いに敬礼を交わしたのを確認すると、シャアは改めてシーマに向けて口を開いた。 「シーマ・ガラハウ中佐。バイコヌールからの輸送任務ご苦労だった。これが例のMSだな」 「は。サイド3から非正規のルートで届いた新型のMS-06FZ【ザク改】であります。 本来はズム・シティの首都防衛大隊に配備が予定されていたシロモノらしいのですが、大隊指令アンリ・シュレッサー准将の計らいで急遽こちらに・・・!?」 その時突然、シーマの後ろに控えていたライデンがズカズカと前に出て来てシャアと会話中である彼女の横に並んだのである。 シャアに対して敬語で接していたシーマはライデンの無作法にぎょっと息を呑んだが、ライデンは涼しい顔で馴れ馴れしく初対面のシャアに話し掛けた。 「軽く慣らし操縦してみたが、かなりいい。見てくれはザクだが、こいつはグフやドムにも引けは取らないぜ。 マ・クベの野朗はいけ好かないが、統合整備計画の手腕だけは認めてやっても良いかな」 ブン殴ってでもこのバカの軽口を閉じさせてやるべきだろうかと物凄い目つきで横から睨み付けて来るシーマを尻目に、さあどう出ると挑戦的な目をシャアに向けるライデン。 しかしシャアはライデンの予想に反し、にこりと口元を綻ばせたのである。 「なるほど。それが【真紅の稲妻】の見立てなら、間違いは無いだろう」 「おっと・・・俺の事を知っているのか?」 「【真紅の稲妻】ジョニー・ライデン。開戦時は曹長だったがルウムにおいて戦艦3隻を撃沈し大尉に昇進。その後直属の上司を病院送りにした懲罰人事により再び曹長に降格され海兵隊に転属、現在に至る・・・だったかな?」 「あらら」 おどけて首を竦めるライデン。挑発したつもりが見事にカウンターパンチを食らった格好だ。 シーマもライデンに対する怒りを忘れ、目を丸くしてシャアを見ている。 「シーマ中佐、ライデン曹長、こちらの事情は知っての通りだ。 細かい事はいい。今後とも宜しく頼む」 「・・・あーあ。青い巨星といい赤い彗星といい、どいつもこいつも一筋縄ではいかねえってか・・・参ったねこりゃ。大人しく軍門に下っちまうか姐御・・・痛てぇっ!!」 シャアが差し出した右手を渋々握ったライデンの脛を、コメカミに青筋を立てたシーマが何食わぬ顔で横から蹴飛ばしたのである。 「馬鹿部下の無礼をお許し下さい。バイコヌールを空にする訳にも行かず残念ながら全員がここに控えてはおりませんが・・・マハル出身の我ら海兵隊一同、一丸となって大佐の尖兵となる事、シーマ・ガラハウの名においてお約束致します」 片足で飛び跳ねているライデンを完全無視してシーマはシャアに深く頭を下げた。 マハルはサイド3にありながら貧困層を集住させたコロニーであり、ザビ家による徴兵後の扱いも劣悪であった。 シャアと同等かそれ以上に自分達のザビ家に対する恨みは骨髄なのだと、シーマは暗に言っているのである。 「感謝する。精鋭で鳴らす海兵隊の噂は聞いている。これほど心強い事は無い」 「は。荒事の露払いは我らにお任せ下さい」 きっちりと敬礼しているシーマの横で、向こう脛を押さえ片足立ちのライデンも観念してシャアに向け奇妙な敬礼を向け、それを見たハマーンとミハルは同時に吹き出した。 「それにしても、バイコヌールの指令代理が、よくもこの地まで駆け付けてくれたものだ」 「それなのですが、いち早く大佐のお耳に入れておきたい事があり、不肖シーマ、この地にまかり来しました」 「む、何か」 シーマの緊迫した雰囲気を感じ取り、シャアも姿勢を正す。 「実は・・・アサクラ大佐の動向が妙なのです」 アサクラ大佐とは名目上は海兵隊の長であり、シーマの直属の上司にあたる人物である。 しかし実態は名ばかりの司令官であり、実務と責任をシーマに押し付ける形で自身を遙任している。 「現在ジオン本国では、まるでオデッサでの会戦準備に隠れる様に・・・アサクラ大佐指揮の元、地球の静止軌道やサイド5などから大型発電衛星の奪取作戦が次々と執り行われている模様です」 「発電衛星?どういう事か」 「詳しい事は残念ながら・・・ただ時を同じくして我が故郷であるマハルコロニー住民の強制疎開が行われた事と、何か関係があるのかも知れません」 「フム・・・」 顎に手をやって考え込んだシャアの背中を見ながら、アムロはシーマの言葉に漠然とした不安を覚えた。 一瞬、膨大な光と共に何もかもを焼き尽くさんとする凶悪な意思がイメージされたのは、偶然ではないと思えるのだ。 「ど、どうしたんだいハマーン?」 背後から小さく聞こえたミハルの声に振り返ると、真っ青な顔をしたハマーンがミハルにもたれ掛かる所だった。 恐らく、ハマーンも何らかの不安を感じ取ったのであろう。 しかし自分達ですら良く判らないこの感覚を、他人に上手く説明する事はできそうもない。 何より、確証のない情報で、無闇に周囲の人間を不安がらせる訳にはいかないだろう。 爪を噛みしめたくなる欲求を無理矢理押さえつけたアムロは、今の自分の顔色も、きっとハマーンと同じ様に青ざめているに違いない事を確信していた。 「いようアムロ!いろいろ大変だったそうだが、こうしてまた合えて何よりだったな!」 「は、はい。ライデン曹長もお元気そうで」 「おう元気だぜえ!死線をくぐり抜けて仲間達と再会できたんだ、これ以上嬉しい事はねえだろう!」 深い不安の闇に押し潰されそうになっていたアムロは、片手を挙げて笑いながら陽気な声を掛けてくれたライデンに救われた気がした。 シーマを筆頭に深刻な顔をしていた一同も、ライデンの言葉に我に返った様に見える。 「ん、どうした、お嬢さん達も顔色が悪いが何か心配事でもあるのか?」 アムロのそばに歩み寄りながらミハルとハマーンの顔も見て、暢気な顔でそう聞いて来るライデン。 しかし逆に、アムロはこの局面で出た彼の言葉の方が意外だった。心配事は、山盛りにあるはずだ。 「ライデン曹長はその・・・心配じゃないんですか?」 「心配って、何がだ」 「え、その、さっきのシーマ中佐のお話の事とか、これから僕達が向かうオデッサの事とか・・・」 数え上げたらそれこそ不安要素はキリが無い。 しかしそんなアムロを見てライデンはからからと笑い出したのである。 「やめとけやめとけ!心配なんざするだけ無駄だ!」 「む、無駄って事は無いでしょう・・・」 自分は果たしてライデンにからかわれているのだろうかと、少しばかりムッとしかけたアムロだったが、突然横にいたニムバスから爆発的な殺気が立ち上ったのを感じ、うなじの毛が逆立った。 「貴様・・・それ以上准尉を愚弄すると、この私が許さんぞ!!」 アムロはもとよりバーニィやコズンら先の騒動を目の当たりにしている周囲の人間は、ニムバスの怒りに思わず慄いた。 そう言えばバーニィを一喝した件を鑑みるに、ニムバスは規律に厳しい男だった。 ライデンの様に奔放な人間を厳格なニムバスという人間が、決して受け入れる筈が無かったのである。 こちらの焦燥を知ってか知らずか、一瞬の後ライデンは、わざとらしくニムバスに向けて妙にゆっくりと首を廻らせた。 「・・・俺は別にアムロを愚弄なんざしてねえがな」 「ま、待って下さいニムバス大尉!この方は、ジョニー・ライデン曹長・・・」 新たな目的の為に仲間がまとまり掛けている今、内部での揉め事は非常にまずいとアムロは焦った。 しかし、アムロとライデン2人が、まるで口裏を合わせるかの如く反論して来るさまは、ニムバスの苛立ちに更に拍車を掛ける結果となった。 「アムロ准尉は貴様の上官だぞライデン!相変わらず・・・その言葉遣いは何だ!?」 「久し振りだってのにご挨拶だなニムバス。俺は相手が誰だろうがこの口調を変えるつもりはねえぜ? 今はお前の方が階級が遥かに上なんだ、懲罰したいってんなら好きにしなよ」 「え・・・ニムバス大尉は、ライデン曹長とお知り合いだったんですか!?」 アムロは意外な成り行きに目を見開いて対峙する2人を交互に仰ぎ見る。 しかしニムバスはアムロの問いには答えず、更にライデンへの眼光を強めた。 「気に食わん奴だと思っていたが、いい機会だ・・・貴様の腐った性根はこの場で修正してやる!」 「おっと懲罰房行きとかじゃねえのかよ!」 素早く一歩前に踏み込んだニムバスの歩幅と全く同じ距離をライデンは跳び下がった。 「悪いがデカイ戦が控える今はコンディションを崩せねえ。タダで殴られてやる訳にはいかねえな」 「面白い。ならば実力で私と准尉の前にひざまずかせてやるとしよう」 「御免こうむるぜ。俺は色んな意味でひざまずかせる専門だ」 「・・・バカだねっ!」 「えっ?」 「な、何でもないよ!アンタら!シャア大佐の前で、勝手なマネは許さないよ!」 赤い顔でクランプの疑問を遮ったシーマは今にも殴り合いを始めそうな二人を叱責する、が、意外にも彼女を制したのはシャアであった。 「二人共、私に気兼ねせずに続けたまえ」 「大佐!?」 「我々は寄せ集めの軍団、軋轢は当然だ。 火の点いた爆弾をフトコロに隠し持っていると、それはいずれ最悪なタイミングで炸裂してしまうものだ。 爆弾などというものは、大っぴらな場所で処理してしまうに限る。リクリェーションとしてな」 へぇ、判っているじゃないかと内心瞠目しながらシーマはシャアの横顔を見直した。 流石は赤い彗星。若さに似合わずこの男、動じないのである。 喜んだのはライデンであった。 「話が判るぜ大佐ァ!正式に私闘許可が出たがどうするニムバス大尉!?」 しかしニムバスから一瞬目を切ったライデンには油断があった。ニムバスは既に臨戦態勢だったのである。 「余所見をするな!」 ステップを変化させ、トップスピードで間を詰めながらニムバスの放ってきたパンチは牽制であった。 咄嗟にガードを固めたライデンは、迂闊にもニムバスの密着を許してしまう。 ニムバスは両手でそのままライデンの頭を抱え込むと、タイミングをズラした膝蹴りを抉り込む様にライデンの脇腹に見舞う。 これがまともに決まれば恐らくアバラの4・5本は砕け散っていたに違いない。 しかしライデンは辛うじて自らの膝をカウンター気味にニムバスの内腿に合わせ膝蹴りの威力を相殺させると、両腕の拘束を振り払い、軽快なフットワークでニムバスの射程圏内から逃れた。 睨み合って対峙する2人。 軽いボクシングスタイルのステップワークで間合いを取るライデンに対し、ニムバスはアップライトに構え、足で威嚇するムエタイ風である。 「あんたにあの後何があったか知らねえが、雰囲気が変わったなニムバス。 明らかに付け入る隙が・・・減っていやがるぜ」 ベッと口中の血を吐き出したライデンにシーマはどきりとした。 離れ際に何らかの一撃を受けたものであろうが、ケンカ慣れしたシーマにもニムバスの放ったその攻撃は見えていなかった。 「グラナダ攻略部隊、降下強襲群・・・あの激戦地で俺達は出会い、あんたが第一中隊、俺が第二中隊と、互いに部隊を率いて戦った。 階級はあんたが少佐、俺は特務付きの大尉で・・・戦場では同格だったな」 言いながら今度はライデンが前に出た。 迎撃に動いたニムバスの蹴り足をフェイントでいなすと強烈な左フックをボディに見舞う。が、ニムバスは肘を下げこれをブロックした後、がら空きになったライデンの顎にそのままエルボーを叩き衝ける。 しかしその時には既にライデンの身体はスウェーを絡めて後退していた為、ニムバスの肘は空を切った。だがその軌跡は、ライデンの前髪を数本斬り飛ばす程の鋭さだった。 「ライデン!!何から何まで癇に障る奴だったよ貴様は!」 「お互い様だニムバス!何かってーとキリシア様キシリア様ってな!テメーは壊れたレコーダーかっての!」 「言うな!昔の話だ!!」 僅かに動揺したニムバスの動きを見逃さず再度踏み込んだライデンは、左右のジャブを放ちながら唐突に足払いを仕掛けると、態勢を崩したニムバスに組み付き、ごろりと転がりざまに肩の関節を決めに入った。 ボクシングスタイルから密着した関節技への極めてスムーズな移行はライデンの格闘技術の高さを物語り、その変幻自在な攻撃は、固唾を呑んで見守る周囲のギャラリー達をどよめかせた。 「甘いな!」「おっと!」 しかし分の悪そうに見えたニムバスは逆関節に逆らわず一瞬にして態勢を入れ替えると、ライデンの拘束を抜け出し、腰を落として後ずさった。 ライデンの関節技のレベルの高さを肌で感じ、グランドでの攻防を嫌ったのである。 しばらく様子を見ていたライデンだったが、追撃は無しと判断するとゆっくり立ち上がり、再びボクシングの構えを取った。 「ゲイツ大佐・・・・・・結局あんたがトドメ刺したんだってなニムバス」 「フッ、貴様が生温かったせいで、私が後始末をするハメになっただけだ」 「ランス中佐はどうなった?ひどい怪我をされていたが」 じりじりと間合いを取りながら、探る様に言葉を交わす2人を見てアムロはハッと気が付いた。 ニムバスが規律に厳しくなったのには明らかにライデンが関係している。 そして2人は恐ろしく不器用なやり方で、二人共が降格する原因となった戦場の思い出話をしているのだ。 「ランス・ガーフィールド中佐は退役された。私がゲイツの敵前逃亡未遂を聞かされたのは、全てが終わった後だった・・・!」 眉根をぎゅっと寄せたライデンは辛そうにそうだったのかと呟いた。 威張り腐った上官が多い中で、ランスは腕が立つ上気さくで男気があり、敬愛するに足る数少ない武人だった。 「あの時ランス教官・・・いやランス中佐がおられなかったなら孤立した我々は、恐らく全滅していた事だろう」 「だがな、ニムバス、俺がぶちのめして病院送りにしたゲイツの病室に押し掛けて・・・射殺したのはやりすぎだ」 ざっとその場の全員が息を呑むのが判った。 対峙する2人の間に、ただ静かに空調の音だけが響く。 「黙れ!貴様に何が判る!私の中隊の生存者はたったの3名だったのだぞ!! あの無能な指揮官が援軍を出すのを遅らせ、我らを死地に追いやったのだ!」 「ニムバス!」 やはりこいつの根底は何も変わっていないのかと絶望に似たライデンの眼差しを、しかしニムバスはするりと受け流す様に瞳の険を解いた。 「・・・以前の私ならば、そう言っただろう」 「!?」 「可笑しければ笑えライデン。今の私には、何故だかランス教官の気持ちが判る気がするのだ」 ランス中佐のザクは孤立したMS部隊の囮として単身敵陣に切り込み、多くの敵を粉砕しながらも集中攻撃を受けて沈んだと聞く。 部下の未来を救う為、自ら身を捨て礎となったのだ。そんな決意は生半可な覚悟で共感できるものではない。 「確かあんたは、やたらとキシリア・ザビを崇拝していたな?だが、今のあんたからはあのイビツな熱狂が感じられない。 その分、何だか研ぎ澄まされた感じがするぜ。一体何があんたを変えたんだ?」 「ふふふ、貴様などに教えてやるものか」 笑えと言っておきながら愉快そうに自分が笑うニムバス。 彼のそんな屈託のない笑顔はライデンが初めて見るものだった。こんな顔は、あの頃のニムバスからは想像もできない。 「さあて、そろそろ決着を付けるぞライデン、ランス教官直々に鍛えられた私の技、果たして受け切れるかな?」 「あまり受けたくないってのが本音だが・・・仕方ねえだろうなあ」 シーマは身じろぎもせず、ずっと心配そうな顔でライデンを見つめ両の拳を握り締めていた。 2人の間にある空間に緊張感が凝縮してゆくのが判る。 それはまるで、ピリピリと触れれば弾ける電光の塊りの様だ。 「えーとすいませんがお2人さん、ランス・ガーフィールド中佐なら、アンリ准将の首都防衛大隊に復帰されましたよー」 ・・・・・・・ 「なに!?」「本当か!?」 一同に遅れてやって来たアンディが、間延びした声で後方から掛けた言葉に2人は一拍置いて劇的に反応した。 「本当です。首都防衛大隊は『慰労隊』の側面もあるんですよ。 ランス中佐は片腕を失くされるという重傷を負われたものの、このたび戦傷兵として大隊に配属され教官を務めておいでです。 ちなみに私も、MS戦術で中佐の教えを受けた一人です」 「そうだったのか・・・」 「アンリ准将の隊に・・・」 2人の間にあれほど張り詰めていた空気が、一気に霧散したかの様だった。 ニムバス、ライデン共にシンミリ俯いた目線で、それぞれの感慨に浸っている。 「二人共、気は済んだか」 頃合だと判断したシャアが声を掛けると、2人は気まずそうに構えを解いた。確かにもうバチバチやり合う雰囲気ではない。 ギャラリーもほっとした顔で互いに顔を見交わしている。物騒な場面はあったにせよ、結果的に怪我人が出なくて本当に良かったという処だ。 「丁度良い。ここで2人に辞令を言い渡しておこう」 「は!」「辞令?」 自らの降格を申し出ていたニムバスはその顔にさっと緊張感を滲ませ、ライデンは怪訝な表情を浮かべている。 「戦場任官なので簡潔に伝える。ニムバス・シュターゼン大尉、貴官を申請通り降格し、以後は中尉に任命する」 「は、しかし、それでは・・・」 「聞け。これによりMS小隊を組む際、アムロ准尉に隊長位と特務権限を持たせれば、中尉はアムロの下に身を置く事が出来る。十分に補佐をしてやれ」 「慎んで・・・拝命致します!」 降格されたくせに嬉しそうに敬礼しているニムバスを見てライデンは思い当たった。そうか、ニムバスの奴は多分・・・ 「ジョニー・ライデン曹長」 「は、は?」 思わず素っ頓狂な声を上げてしまったライデンを見て、シーマが目をつぶったまま軽く額を押さえた。 「シーマ中佐の下での数々の戦功は聞いている。よって、ジョニー・ライデン曹長を本日只今をもって中尉に昇進させる事とする」 「へ?イキナリ二階級特進?なんで?」 「バカだね本当に!くれるっつーモンは貰っときゃいいんだよ!」 慌てた口調で会話に割り込んで来たシーマに全員の視線が集中する。 「あ、姐御、皆の前だ」 「・・・・・・・・・・・・っっ!!」 今度こそ誤魔化しきれない程に顔を赤らめたシーマは、口をぱくぱくさせた後にトマトの様な顔を横に向け、そのうちに堪え切れなくなり後ろを向いて俯き、押し黙ってしまった。小刻みに肩が震えている。 コズンはごくりと唾を飲んだ。あのシーマをここまで変えてしまうとは、ジョニー・ライデン恐るべし。 「・・・こほん。これで【真紅の稲妻】も、もう少し動きやすくなるだろう。 貴様の場合、肩書きなど無意味なのかも知れんが持っていて腐る物でもない。シーマ中佐の言う通り、ここは素直に受け取っておけ」 「了解であります」 観念した敬礼を向けるライデンに、シャアは軽く頷いた。 ライデンはニムバスにニヤリと笑って向き直る。 「これで俺達は同じ階級になったなニムバス。アムロよりも上だし、もう規律がどうとか言わせねえぞ」 「良いだろう。だが准尉を愚弄する様な真似をしたら、命が無いものと思え」 物騒な物言いは健在のようだ。 苦笑しながらもライデンは小声でニムバスに聞かねばならない事があった。 「ところでなニムバス、お前、なんで俺がシャア大佐にタメグチきいた時には怒らなかったんだ?」 「・・・決まっている。私の忠誠はアムロ准尉にのみ向けられているからだ」 済ました顔でぶっちゃけるニムバスに、ガラにも無くそれはどうなんだよと突っ込みたくなるライデンだったが・・・ やけに幸せそうなニムバスの顔を見ていたら、何だか全てがそれで良い様な気がして来て、結局口を噤んでしまったのだった。 「うわあ・・・これ、凄く良いですねえ・・・!」 感嘆ではなく驚嘆である。 初めて乗ったMS-06FZのコックピットシートでバーニィは、座席調整をSに設定しながら笑顔を見せた。 メイン、サブ両モニターの位置、フットペダルの固さと踏み込み角度が絶妙にいい。 何よりJ型では少々確認し辛かった後方視界モニターの位置がデフォルトで改善されているのが嬉しい。 ロールアウトされたばかりのMSの筈なのに、まるで使い込まれた愛機のごとく2本のレバーグリップが吸い付くように手に馴染む。 実質的にはMS-06Cなどのコックピットに比べると、オーバーヘッド・コンソールが前方にせり出しているぶん若干狭くなっている筈なのだが、妙な閉塞感は微塵も感じられない。 広すぎず、狭すぎないスペースの中に、全ての計器類が見やすくコンパクトに収まっているのだ。 そこにはある種のデザイン的な美しさが発生しており、兵士にとって命を預ける相棒たるMSの心臓部に相応しい威厳があった。 あの、地球に下りてバーニィが初めて搭乗した(現地改修で執拗にいじり倒された感のある)06Jのごちゃついた操縦席とは雲泥の差である。 この恐ろしく機能的なコックピットレイアウトは、長年の試行錯誤を積み重ね、血と汗と命を代償にMSと携わって来たジオンだからこそ完成したものなのだと思える。 元々機械いじりが嫌いではないバーニィは、コックピットの端々から滲み出ている「職人技」が醸し出す迫力に、静かに感動してしまうのだった。 『こいつの開発には俺たち首都防衛大隊も協力したんだぜ。 コックピット周りは特にランス中佐の意見が反映されてる』 正面モニターには、資料を挟んだバインダーを手にしたアンディ中尉が、ハンガーの床からこちらを見上げている姿が映し出されている。 外部用モニターとスピーカー、集音マイク等の動作にも問題は無い様だ。 傍目から見ると奇妙な光景だが、この機能が正常であればこそ通常サイズの人間と17・5メートルの巨人とが普通に会話できているのである。 「何だか・・・皆さんのお話をお聞きしているだけで、ランス中佐という方の凄さが判りますね。 それに、短期間でこんなMSの開発を完了させたマ・クベ大佐という人も」 『ランス中佐とはお前もいずれ会えるさ。それとな・・・』 バーニィの口から出たのは先人に対する素直な賞賛だったのだが、ランスとマ・クベを同列に扱われた事が気に食わなかったのか、アンディの顔が険しいものになった。 『言わせて貰えばこの機体がここまでスピーディに完成したのは、現場勤務の名も無きメカマンから訴上されて来た統合整備計画の試案が、抜群に優れていたからなんだ。 マ・クベはまずそれを意見書としてサイド3のMSメーカー最大手のジオニック社に提示し、意見を求めた。 そしてそれがとてつもない価値を秘めた革新的意見書だという事を確認した上で、次期国家プロジェクトとしてザビ家に提出し、それをそのまま自分の手柄として通しただけに過ぎない』 「名も無きメカマン・・・ですか」 『こんな紙資料にしたら優に五百枚以上に相当する分量の計画試案を上げて来た奴がいるんだよ』 自らが手にするバインダーを指で弾きながらアンディが続ける。 『件のメカマンはジオンに対する貢献度は相当な筈だが・・・マ・クベはそいつの名前すら資料から削除しちまったらしい』 「ど、どうしてそう言い切れるんです?」 『それまでマ・クベがサイド3に指示して来た時とは全く違う計画手順だったからさ。 奴は官僚肌の軍人だ。工廠に対して要求する事は出来ても具体的な技術内容を示して計画を発注する事なんて出来やしない』 「なるほど。“水陸両用MSを作れ”とは命令できても“この設計図通りにズゴックを作れ”とは指示できないって事ですね」 撃てば響く様なバーニィの言葉にアンディはそうだと頷く。 無意識の受け答えではあるが、バーニィの応対には相手を気持ち良く喋らせる何かがあるようだ。 『もちろんマ・クベ自身にMS開発の知識があれば良いがそんな話は聞いた事もない』 「なるほど・・・と、いう事は、そのどこの誰かも判らない謎のメカマンは現場で作戦行動に随伴しながら、五百枚以上の計画書を・・・それは、凄い・・・」 時間に余裕のあるジオンの部隊など存在しない事はバーニィも身に染みて理解している。 『計画を請け負ったサイド3の工廠では、もう提示された計画書に絶賛の嵐アンド【このプランの作成者は誰か】という妄想の坩堝となっていた。 愚にも付かない妄想が多かったが一番笑っちまったのが 【天才的な才能を持つローティーンのメカニック少女が、恐らく何日もの徹夜をものともせずに完成させた】 ・・・って奴だな。いくらなんでもリアリティなさ過ぎだろう』 モニターの向こうで苦笑するアンディだったが、バーニィの脳裏には、張り倒された痛みの記憶と共に、一人の少女の顔が鮮明に思い出されていた。 笑えない。あの少女の才能とバイタリティならば・・・ややもすると、やりかねない。 『統合整備計画は大手のMSメーカーが合同で参画してる。 俺が出向いてたのは主にツィマッド社系の造兵廠だったんだが、他社に伝説の少女メカマンがいるらしいって話は良く耳にした』 「伝説の・・・」 『おいおい本気で信じるなって!どちらかと言うと都市伝説の類だ』 げらげら笑うアンディに、コックピットの中のバーニィは意味深な顔でぼそりと呟いた。 「アンディ少尉も・・・伝説の少女メカマンともうすぐ会えるかも知れませんよ」 『ん?何か言ったか?』 「いえ。お楽しみに」 『?』 再度聞き返そうかと口を開いたアンディの声を、ハンガー内に突如鳴り響いたアラームが遮った。 同時にコックピット内のモニターにヘッドセットを付けたアムロの顔が映し出される。 『施設内の各員に通達します』 アムロの声にぎこちなさは無い。 フェンリル隊にいた際、通信オペレーターを経験したアムロにとって、オール回線での音声放送などお手の物だった。 『戦闘要員は、至急ブリーフィングルームに集合して下さい。繰り返します・・・』 スピーカーからの放送を聞いたそれぞれの人員は作業の手を止め、指示通りブリーフィングルームに向かう。 しかし唯一モニターでアムロの顔を見る事のできたバーニィは、その表情に滲む只ならぬ緊張感に気が付いた。 『聞こえたなバーニィ!マシン整備は一時中断だ、すぐに出て来い!』 「りょ、了解!!」 外から掛けられたアンディの声に大急ぎでコックピットハッチを開けたバーニィは、外に出ようとした際、上がり切っていない可動式オーバーヘッドディスプレイの角にしたたか額をぶつけてしまい、シートに逆戻りする形で倒れ込んだ。 不覚にもつい乗り慣れた06Cと同じ感覚で体が反応してしまったのだ。 「あっっ・・・痛ってぇぇ〜〜〜〜っ・・・・・・!!」 「おいバカ何やってんだ!?置いて行くぞおい!!」 下からいらいらした声を叫び上げてくるアンディに対し、ハッチ開閉のタイミングとコンソールディスプレイの動くスピードがえらい違ったんですよとは流石に言えず、すいません今行きますとチカつく眼で辛うじて声を絞り出したバーニィは、よろよろと昇降用のワイヤータラップを引き出した。 緊張した面持ちでクランプ、コズン、シーマ、ライデン、ニムバス、バーニィ、アムロが居並んでいる。 アンディだけはあの後すぐに、現在急ピッチでシャア専用にチューンUPされているMS-06FZの整備にハンガーへ呼び戻されてしまったのだ。 新型であるザク改の調整を効率的に進める為には、その開発に間近で携わっていた彼が必須である以上、これは仕方のない処置だと言えた。 諸君達に集まって貰ったのは他でもないと前置きしてから、シャアはブリーフィング・ルームに集った全員の顔を見回した。 「先程、戦略情報部士官ククルス・ドアンの情報で派遣していた偵察隊からの報告が入り、アンカラ郊外に展開している連邦軍砲撃部隊の、おおよその規模が判明した」 ぴんと張りつめた空気が場を支配する。 一刻も早くオデッサのラル部隊と合流したいシャア一行ではあったが、黒海の対岸に陣取っている敵の砲撃部隊を放っておく事はできない。 オデッサに多数布陣する友軍の為にも、ここは確実に潰しておかねばならない拠点なのである。 情報を掴んでいながらマ・クベが全く動きを見せない現状、それが可能なのはここロドス島にひとかどの戦力を保有するシャアの部隊をおいて他には無かった。 「アンカラ郊外の台地に、確認が出来ただけでも長距離砲撃用車両27、自走対空砲84、補給車も多数布陣している模様だ」 シャアに促されて一歩前に出たシーマが手持ちの写真付き報告書を読み上げるや否や、両手を腰に当て下を向きながら小さく舌打ちをしたコズンを筆頭に、全員が重苦しい溜め息を呑み込んだ。 想像以上の大部隊である。流石に連邦軍の物量は半端では無いという事なのだろう。 展開している敵部隊が小規模であれば、アレキサンドリア基地に対地爆撃を要請するだけで事足りたかも知れなかったが、空爆に対応した備えが為されている事が判明した以上、敵陣深くMSを突入させ、対空戦力をまず黙らせる必要が生じたのである。 敵陣への攻撃をアレキサンドリアの爆撃機だけに任せ、シャアの部隊はアンカラを無視してさっさとオデッサに直行する・・・という甘い目論見は、大部隊の前にあっけなく消し飛んだ形となった。 「連邦のオデッサ攻略作戦は、ここ数日のうちに発動されるのは間違いない」 「そうなるとアンカラ強襲に一日、補給や整備に突貫でも一昼夜・・・いやあギリギリですなあ」 深刻な顔をしたクランプに、首の後ろをボリボリ掻きながらコズンが呑気な声で応じる。 心の内にある焦燥とは裏腹に、あえてこういう物言いをするのがコズンの癖だ。 それほど事態は、深刻なのだった。 「・・・つまり、自分達はオデッサ開戦に間に合わないって事ですか・・・」 「早まるんじゃねえよ。そういう可能性もあるって話だ」 バーニィの核心を突いた一言を強い口調でコズンが遮る。 しかし、確かにバーニィの懸念している通り、これでシャアの部隊はオデッサ防衛戦に主力として参加できなくなる可能性が極めて高くなった事は事実だった。 激戦が予想されるオデッサ防衛戦、ひとたび戦端が開かれてしまえば、十字砲火の矢面に立つ最前線に位置する「青い木馬隊」に、強引に敵中突破して合流を計るのは無謀過ぎる行為だろう。 最悪、状況次第では友軍の苦戦を尻目にシャア達はオデッサ外周に取り残されるという事態も十分ありうる。 少しでも多くの戦力を、何よりシャアという彼らの総大将を開戦前に「青い木馬隊」に合流させたい。 そして、オデッサ前に戦力の損失はなるべく避けておきたい・・・というのが彼らの偽らざる本音だったのだが、シビアな現実はそれを許さなかった様だ。 「ここにいる全員が雁首揃えてアンカラに出向く必要は無いんじゃないか? 敵部隊が砲撃だけに特化しているなら、俺達のイフリートだけで十分だろう」 腕組みをしたライデンが口を開くと、シーマは彼に向き直った。 言うまでも無く『俺達のイフリート』とは彼女とライデンの08-TXを指しているのである。 直前までMSの整備をしていたライデンの顔と作業着はオイルで汚れていたが、それは彼の精悍さを少しも損なうものではない。 シーマはうっとりと愛でそうになる気持ちをおくびにも出さず、実にそっけない態度で彼に言い放った。 「ところがそうは行かないのさ」 「何故だ?姐御にしては随分と弱気じゃないか」 「敵陣には護衛のMSがいる可能性もある。そして偵察隊は黒海の南端ボスポラス海峡を抜けてアンカラに向かう敵部隊もキャッチした。 恐らく敵の増援だ」 挑発的なライデンの言葉には付き合わずシーマは淡々と事実だけを告げ、軽口を叩いていたライデンの顔から笑顔が消えた。 「・・・何だと・・・この上まだ増えるってのか・・・!」 「アタシらはキッチリこれも叩かなきゃいけない。戦力は足りないぐらいさね」 日々の整備すらままならない部隊が多いジオン軍に対して、無尽蔵とも思える物量を惜しげもなく投入してくる連邦軍。 またもや突きつけられたシビアな状況が一同の心胆を寒からしめたが、シャアの冷静な声音が全員の意識を現実に引き戻した。 「どんなに荒れた戦場であろうが、ランバ・ラルが率いる部隊なら、そう簡単に落ちはしないさ」 シャアのその言葉に不敵な笑顔を浮かべ大きく頷きながら、パシンと左に構えた掌に右の拳を打ちつけたのはクランプである。 その通りですぜと言いながらコズンもニヤリと唇を歪めて笑った。 「いざとなれば我が隊は後方攪乱に回る。だが事態は流動的だ。 我々はまず、目の前にある我々がすべき事を迅速に片付けるとしよう。アムロ」 「は、はい」 突然シャアに名指しされたアムロはどきりとしたが、辛うじて敬礼する事ができた。 「君には小隊を任せる。別働隊を指揮しアンカラに合流すべく進行して来る敵部隊を阻止してみせろ。ニムバス」 「はっ!」 「ワイズマン・・・いやバーニィ」 「はい!」 ニムバスは当然の如く、バーニィは緊張気味に敬礼をシャアに向ける。 「アムロと共に行け。ザク改2機と輸送機ファットアンクルを与える。 アムロはあの白いMSを使え。ニムバスはアムロを補佐して作戦を立案しろ」 「了解です」 「え・・・」 シャアとニムバスがみるみる話をまとめ、さっさと話を切り上げてしまった為に肝心の、隊長である筈のアムロはこの決定に何も口を差し挟む事ができなかった。 「あ、あの、待って下さい、やっぱり僕には隊長なんて・・・」 自信なさげな声で抗弁しようとするアムロを、シャアは無視して踵を返し、ニムバス、バーニィを除いた全員とアンカラ襲撃計画を練り始めた。 もはやアムロの事など眼中には無い。それはある意味、アムロの意見を聞く気など端から無いのだという意思表示にも見える。 「シャア大佐!」 途方に暮れたアムロが思い切って背を向けているシャアに大声を掛けると、熱心に話し込んでいたシャアは顔だけアムロに向けて口を開いた。 「もう命令は下した筈だぞアムロ。 今後私と行動を共にする以上、君にはただのパイロットでいて貰っては困るのだ」 アムロの目がハッと見開かれる。シャアの向こうでコズンとクランプが、こちらに握り拳を向けているのだ。 目を転じるとライデンはさりげなく親指を上に向け、シーマは片方の口角を上げて見せた。 「私達を失望させるなよ?」 皆の視線に胸が熱くなるのを感じ、立ちつくすアムロの横にニムバスとバーニィが並ぶ。 「行きましょう准尉。我々の初陣です」 ニムバスの言葉に、アムロは小さく掠れてはいたが力強い口調で「はい」と答えた。 小さなノックの後、少しだけ開けたドアの隙間からするりと部屋の中に滑り込んで来たのは、小ぶりなバスケットを抱えたミハルだった。 後ろ手にドアを閉めたミハルは微かに安堵の溜息をつく。 薄ぼんやりとした照明が灯った室内。 一人の男がベッドに突っ伏している。 ミハルが目を転じると、衣服がスツールの上に無造作に脱ぎ捨てられ、ブーツは脱ぎ散らかされたまま床に転がっているのが見えた。 「・・・ミハルか」 「ごめん、起こしちゃった?」 「いや、シャワーを浴びようとしていた筈なんだが・・・」 身じろぎし、ベッドからのろのろと顔を上げたのは、何とシャア・アズナブルであった。 もちろん例のマスクはヘルメットと共にベッドの片隅に放り投げられているため、素顔である。 実は戦闘時以外、シャアの寝起きはそれ程良くない。 アンダーシャツ姿のシャアはのっそり身を起こすとベッドの上に胡坐をかき、目を閉じたまま片膝の上に頬杖をついた。 「疲れてるんだね・・・ご苦労様。肩の具合はどうだい?」 脱ぎ散らかされた赤い軍服を拾い集め、てきぱきと畳んだりハンガーに掛けたりしながらミハルは心配そうな声を掛ける。 頬杖をしていた手を一旦外し、肩を軽く回したシャアは片目を薄く開けてもう大丈夫そうだと軽く笑った。 「良かった、でも油断は禁物だよ。 宇宙に住んでた人は免疫力が弱いとも聞くし、ケガってのは直りかけが一番怖いんだ。 あと数日は手当てを続けなきゃだめだよ。さあ、肩を見せて」 大真面目な顔でシャアの横に腰を下ろしたミハルは、有無を言わせずシャアのシャツを脱がしに掛かった。 幼少の頃に地球で暮らしていた経験を持つシャアは実は生粋の宇宙育ちでも無かったのだが、別に文句も言わずミハルのしたいがままにさせ、大人しく右肩を露出させた。 「完全に傷口は塞がっているみたいだけど・・・」 そう言いながら化膿止め薬入りの無針注射器を二の腕に押し当てて来るミハルを、シャアは面白そうに見つめている。 人目を忍んで毎晩こうしてやって来るミハルに手当てをしてもらうのは、もう何日目になるだろう。 この少女がシャアの個室を初めて訪れたのは、ここクレタ島ザクロスに到着したその晩の事だった。 フラナガン機関の施設を脱出する際、自分を助ける際に負った傷を治療させて欲しいと申し出て来たのである。 何でも、シャアがケガをした事を秘密にしたがっていたので、同室のハマーンが眠ってからこっそりと部屋を抜け出し、誰にも見つからない様にここまで来たのだという。 初めはおずおずしていたミハルだったが、シャアが自らのケガに消毒液を振り掛けただけで放置していた事を知って驚き、大慌てで手当てをし直した。 助けてくれた事に感謝はしているが、自分を大切にしない人は最低だと叱りつけられたシャアは、何故だかその剣幕に逆らう事ができず、命を救った筈のミハルに何度も謝るハメになったのである。 驚いた事にシャアは発熱していた。微熱ではあったがそれが肩の裂傷によるものである事は明白であった。 身体の調子が悪くても、それを全く気にしていないのである。 ミハルはそんなシャアを放っておくことができず、皆に隠れて猛然と彼の世話を焼き始めたのだった。 しかし改めて見てみるとミハルが呆れるくらいに、シャアという男は自分の事、日常的な事に無頓着な人間だった。 人間らしく生きる事に関心が無いと言い換えてもいい。 放っておけば日々の食事すらロクに摂らないのではないかと思える程に、彼の生活からは何かが欠落していたのである。 「ああ、やはりミハルの作ったものはうまいな」 だが、そんなシャアが、今ではミハルの持ってきたバスケットを勝手に開け、中にあった夜食を手掴みで食べ、あまつさえそれを美味いと言っている。 美味いと褒めると、笑み崩れてゆく彼女の顔がシャアは好きだった。しかし・・・ 「こら!ちゃんと手を洗って来る!」 ミハルは軍人では無い為にシャアに対して階級による遠慮などは一切無いのである。 こうしてまたもや彼女に怒られバスケットを取り上げられてしまったシャアは、食べかけのマフィンを口に咥えたまますごすごと洗面所に向かった。 【赤い彗星】のシャアしか知らない者がこの様子を見たら恐らく仰天して腰を抜かす事だろう。 ミハルに叱られる事は不快ではないし、彼女の言葉にはつい従ってしまうのは何故なのだろう。と、手と顔を洗いながらシャアはぼんやり自問してみる。 しかし幼い頃に父と母を失い、権謀と怨念に塗れて成長した彼の中には、自身の問いに対する明確なアンサーは含まれていなかった。 周りには常に“敵”が潜んでおり、少しでも隙を見せると足元を掬われる・・・そういう殺伐とした人生を送ってきた。 親しげな顔でシャアに近付いて来る人間は、十人が十人とも腹の中では彼を利用する事で自らの利益を企んでいた。 無論そういう手合いを観察眼に優れたシャアに瞬時に見抜き“敵”かそうではないかを識別して来たのである。 “敵”なら容赦なく叩き潰し、そうでないなら“それ”をこちらが最大限に利用する。 それは壮大な化かし合いであり、気を抜いた方が負ける過酷なチキンレースだった。 肩の傷の件でも判る通り、それが例え味方であったとしても、普段から他人に弱みを見せる事を極端に嫌うシャアだった。 だが、ミハル・ラトキエと2人きりになると、そんな事はどうでも良いと思えてしまう。 どう考えても、どんなに目を凝らしてみても、親身になってシャアを世話する彼女の行動の中には、あさましい企みが見つけ出せなかったのだ。 これは、あの時クランプに言われた事の証明であり、ある意味シャアが確信していたシニカルな人生観の完全な敗北を意味していた。 こんな人間もいるのだと、シャアをして認めざるを得なかったのである。 彼女の前では裏をかかれない様にと緊張している自分が馬鹿らしく、張り詰めていた何かが抜けてしまう。 通常は厳重に掛けているドアのロックを、彼女が訪ねて来そうな時間には無意識に外してしまう自分がいる。 マスクもいつの間にか彼女の前ではしなくなった。手の内を全て見せている彼女には、そうでもしないとプライドが保てないのだ。 仮面のある無しなどミハルにとってはどうでもいい事なのかも知れないが、シャアせめてもの矜持である。 シャアが洗面所から出て来るとミハルは既に帰り支度を済ませてドアの前にいた。 この短時間の間に部屋はきれいに片付けられ、スツールの上にはヘルメット、マスク、夜食の残りがきちんと並べられている。 「それじゃね。ちゃんとシャワーを浴びてから休むんだよ?」 にこりと笑ったミハルに小さくそう言われた瞬間、シャアはとてつもない寂寥感に見舞われた。 今ここでミハルを抱き締めたら、彼女は帰らずに、朝までそばにいてくれるのだろうか。そんな事まで頭をよぎる。 シャアが何と声を掛けて良いか判らぬままにミハルの方へ歩み寄ろうとした時、激しく背後のドアをノックする音がミハルの体を竦ませた。 『お休みのところ恐れ入りますシャア大佐!』 アンディの声である。 『ロドス島集積基地から通信が入りました!シーマ・ガラハウ中佐率いる補給部隊が到着したそうです!』 瞬時にシャアの瞳に明晰な輝きが戻った。 素早くスツールの上のマスクを装着し、はだけていたアンダーシャツの襟元を引き上げる。 ドアの前で硬直しているミハルの手を引いて洗面所に誘導し、彼女が隠れたのを確認するとドアのロックを外して引き開けた。 「あ、ああ、シャア大佐、夜分すみま・・・」 「挨拶はいい。通信はまだ繋がっているか」 「繋がっています。こちらへ」 部屋を出る時シャアは洗面所の方をちらりと見たが、何食わぬ顔でドアを閉めアンディの後に続いた。 ドアが閉まってからしばらくの間、部屋の中に静寂が訪れたが、やがで洗面所からミハルがそっと顔を出した。 そして彼女は今日二度目の安堵の溜息を吐き出すと、静かに部屋を出て行ったのだった。 エスキシェヒル近郊に展開する丘陵地帯。 その斜面に生い茂る木々の隙間に埋没する様に―――― アムロの操縦するRX-78XX【ガンダム・ピクシー】は山の稜線に身を隠し、真上から照りつけて来る強烈な陽射しにその身を焼かれながらじっと息を潜めていた。 ピクシーの機体には、アンテナの一部を除き草木をあしらった偽装網を入念に被せてある。遠距離からこの機体を視認する事はほぼ不可能であろう。 偽装網には電磁波遮断物質が編み込まれており、敵のセンサー類をある程度は無効化するという触れ込みである。 しかし、ミノフスキー粒子の存在が敵味方のセンサー技術を飛躍的に発展させている昨今、それをどこまでアテにして良いものかは疑問が残る。 新型センサーを実戦テストする特殊部隊「闇夜のフェンリル隊」の一員だったアムロだからこそ余計にそう思えるのだ。 後悔はしたくない。やれる事はやるべきだと判断した彼は現在炎天下なのにも関わらず、ピクシーの動力を最小限に絞っている。外部スクリーンもメインパネル以外はブラックアウトしている状態だ。 為に、エアコンの効きもすこぶる悪くなり、コックピット内部の温度が相当に上昇してしまう事態となった。 もしかしたら地上戦専用MSであるRX-78XXには、純正ガンダムにはあった大気圏突破用の厳重な断熱処理がオミットされているのかも知れない。 そんな事を考えながら汗だくのアムロは手探りでシート脇のラックを開け、中から本日2本目となる透明パック入りのドリンクチューブを取り出し口をつけ、中身をしぼり出して一気に飲み干した。 ・・・生温くてまずい しかしこれで、水分の補給はできたはずだと気を取り直したアムロは、空の容器をシート反対側のラックに放り込んだ。 先ほどから彼が凝視しているメインパネルには辛うじて舗装されたヒルクライム気味の道がゆらゆらと陽炎を立ち上らせながら正面に映し出されている。 ゆるいカーブを描いた道のちょうど出口にあたる延長線上の位置に、RX-78XXは身を潜めているのである。 道の両脇はそれぞれ高い崖と深い森になっており、襲撃ポイントはここしか無いと断言したニムバスの分析に間違いはなかった事を確信できる。 ここから見る事はできないがニムバスとバーニィも現在、別の場所で同様に偽装したザク改の中で眼前の道を凝視している筈である。 一人ではない。そう考えるだけで何だか心が静まってゆくのが不思議だ。 なんにせよ今回の作戦は【ガンダム・ピクシー】がトリガーであり全ての鍵を握るといっても過言ではない。 アムロはもう一度小さく息を吐き出し、絶対にしくじる訳には行かないぞと自らに言い聞かせ、眼前のスクリーンを注意深く見つめ直した。 「准尉のお立てになったその作戦・・・残念ながら評価は"C"です」 「え・・・」 厳しい顔のニムバスに完璧なダメ出しをされたアムロは一瞬頭の中が真っ白になった。 容赦の無いその物言いにアムロの横に座るバーニィも思わず首をすくめてしまっている。 「敵の大部隊に対してこちらはMSが僅か3機。 進軍して来る敵に准尉の作戦通り密集陣形でまともにぶつかっては、後方の敵に態勢を立て直す時間を与えてしまうかも知れません。 今回我々がまず考えねばならないのは、何としてでも敵部隊の現場到着を阻止する事。 敵は長距離砲撃部隊であり。要地に配置されなければ無力な存在です。 つまり我々は敵を殲滅する必要は無い。足止め出来さえすればいいのです」 「なるほど・・・」 シャア班とやや離れた位置で、小さなデスクを囲み行われているブリーフィング。 理路整然と戦術を語るニムバスに、アムロとバーニィはただ感心して聞き入るしかない。 少年兵達の真剣な目を見てにこりと笑ったニムバスの顔が、輝いている。 今や彼は、自身が持っていた本領を如何無く発揮する機会に恵まれたのである。 士官学校時代のニムバスは、パイロットの資質以上に戦略・戦術立案能力において極めて高い評価を受けていた。 適性も高く、将来は作戦参謀への道をと周囲から嘱望される程の存在だったのである。 同校を優秀な成績で卒業した彼は当然のように公国軍総司令部と総帥府軍務局から熱烈なオファーを受ける。 が、その時点で既にニムバス内部に凝り固まっていたキシリアへの熱烈な忠誠心が、それらを全て蹴る形で自身を突撃機動軍に投じさせたのである。 彼の進路を知った士官学校の教官達は、あたらジオンを背負って立つかも知れない優秀な人材が、使い捨ての一パイロットになってしまったと軒並み嘆き落胆したものであった。 当時の教官達が今の私を見たらどう思うだろうと内心苦笑しながら、ニムバスはこちらに背を向けているシャアをちらりと窺った。 シャアはクレタ島で初対面にも関わらず「貴様の噂は聞いている」とニムバスを誘い、今回は別働隊の実質的な作戦立案を命じた。 つまりそれはニムバスの過去と資質を把握していた、という事に他ならない。 MS操縦に抜群の才能を発揮するアムロの補佐に自分を置き、気が利き堅実な性格のバーニィで脇を固めたこの布陣は、どんな任務にも対応できる理想的な小隊のモデルケースと言えるだろう。 適材を見抜き適所に配置する。言うは易いが行うは難い。 それをさらりとやってのけたシャア・アズナブルというこの男、トップに立つ者として恐るべき才覚の持ち主だと・・・認めざるを得ないだろう。 ニムバスをしてそう思わせる何かがシャアにはあった。 しかしニムバスがそんな想いを廻らせていた時間は数瞬にも満たず、彼は何事もなかったかの様にアムロとバーニィに目を戻した。 「敵部隊は極力目立たぬように航空輸送機を一切使わず、車両のみで移動しています。 そして敵は、我々の様な戦闘部隊がすぐ近くにいる事を知らない。 オデッサになけなしの戦力をかき集めている筈のジオン。我々の存在は連邦にとって想定外なのです。 ここにつけ入る隙がある。 このアドバンテージを最大限に利用するには【効果的な伏撃】をするしかありません」 「効果的な・・・そうか、僕のガンダムとニムバス中尉達のザク2機が密集して行動してはダメだという事ですね」 「その理由が判りますか?」 間髪入れず、値踏みする視線でニムバスはアムロを見ている。 それはまるで見所のある新兵に、英才教育を施している教官の眼差しにも似ていた。 「え、あ、ええと・・・も、MSの性能が違うから、じゃないでしょうか」 「その通りです!流石は准尉ですな!」 満足そうに破願したニムバスを見て、アムロは内心胸を撫で下ろした。 今後、ニムバスの期待に応え続けて行くのは並大抵の苦労では無いかも知れない。 「性能の違うMS同士が一団で行動すると足並みが乱れ、どうしても連携が取り辛くなってしまう。 下手をすると、性能の良い方のMSの長所が殺され、相対的に戦力が低下してしまう恐れすらあります」 ニムバスが答えるや否や、すかさず手を上げたバーニィが口を開く。 「でも中尉、大部隊に対して、ただでさえ少ない戦力を分散してしまっては、各個撃破されてしまうのでは・・・」 「戦術と地の利、そして敵の陣形次第だ!その程度の事も判らんのか愚か者め!」 一転、猛烈な勢いでニムバスに怒鳴りつけられたバーニィは小さく縮こまってしまった。 どうやらニムバスにとって、アムロとバーニィの育成方針は180度違うらしい。 恨めしそうな目を向けてくるバーニィに、アムロは申し訳なさそうな視線を送り返した。 「セオリーは知っておく必要があるが先入観に囚われると柔軟な発想を阻害するぞバーニィ。要はバランスだ」 「バランス・・・」 その冷静な声音はニムバスが決して激昂している訳ではないという事を意味している。 恐縮しきっていたバーニィは恐る恐る顔を上げた。 「長距離砲撃用車両、補給車その他を含めて敵の数は約30両。 モタモタしていると体勢を整えた敵の攻撃に晒されてしまう。 この部隊を僅か3機のMSで足止めするにはどうするか」 ニムバス教官の講義に聞き入る二人の新兵はごくりと唾を飲み込む。 「まずは横列展開できない場所に敵を引き込む」 ぱらりとデスクの上に地図を広げたニムバスは、細長くうねる一本の道路を指さした。 「敵の規模と現在の位置を考慮するとアンカラへ向かう道はここ以外考えられません。 これ以外の道路は舗装されていなかったり道幅が狭すぎたりで連邦の大型車両は通行できないからです。そして」 更にニムバスは指を滑らし長く延びた道路の一点で指を止めた。 トントンとポイントを指先でノックしながらニムバスは2人を交互に見る。 「700メートル程続く側道のない一本道。道路の片側は森、もう片側は切り立った崖。おあつらえ向きです。 仕掛けるのは、ここしかありません――――」 その時、アムロが睨み付けていたスクリーンの風景の一部に小さな変化が現れた。 すかさずアムロはスクリーンショットを最大望遠に切り替える。 遥か後方で樹木に遮られまだその姿は見えないが、微かに砂煙が立ち上っているのが判る。 それとほぼ同時にピクシーに装備された高性能センサーが多数の車両移動音をはっきりと捉えた。 あくまでもスペック上の数値ではあるがガンダム・ピクシーのセンサー有効半径は優に6,000mを超える。 プロトタイプであるRX-78-2の性能を上回るこれは、接近戦に特化されたピクシーというMSの特性に合わせてバージョンアップされたものなのだろう。 とまれ、ニムバスの読みは正しかった。 敵部隊は間違いなくこの道を行軍して来たのである。だが、焦りは禁物であった。 仕掛けは早すぎても遅すぎてもダメだとニムバスには釘を刺されている。 単独でどうにかできる相手ではない。全ては連携、チームワークなのだと。 WBでは有り得なかった、息を合わせた伏撃作戦・・・ アムロは逸る気持ちを抑える様にレバーを握り、唇に滴り落ちて来た汗をぺろりと舐め取った。 先程までの晴天が嘘の様に、結構な勢いで雨が降り始めていた。 本当にこのあたりの天候は変わり易い、だがバーニィはコックピットに伝わって来る激しい雨の振動を感じながら思わず微笑んだ。 雨はセンサーの効きを妨げる。これはついているぞと彼がほくそ笑んだのも無理からぬ事だっただろう。 今、まさに彼等の下に軍列がやって来ようとしている。 言うまでも無く連邦軍の大部隊だ。 その大部隊がつい先程進入して来た北西の入り口から、アムロのRX-78XXが満を持して潜んでいる隘路の東側出口までの一本道がすっかり見渡せる南に切り立った崖の中腹付近。 そのやや角度の浅い斜面にバーニィとニムバスの操縦する2機のMS-06FZは張り付く様に潜伏しているのである。 切り立った崖とはいえその壁面にはびっしりとこの地方特有の木々が生い茂り、バズーカを構え偽装網をかぶったザク改の姿を完璧に隠してくれている。 しかし緑々とした壁面の所々には、断続的に巻き起こるスコールが地盤を緩ませたものなのか地滑りしたらしき箇所のみ黄土色の土や岩が露出していて、その部分だけがやや景色に異彩を放っていた。 バーニィはモノアイを操作し、チラリと左サブモニターにも目を向ける。 自機の周囲を埋め尽くす木々の中から、木々を割って突き出た大きな岩塊がそこにも映り込んで見えている。 メインモニターは俯瞰の映像で、一本の道路が南にゆるいカーブを描きながら西から東に延びているのをクッキリと映し出している。 モノアイが稼動すると、モニターの映像もそれに合わせて移動してゆく。 道の南側は全て切り立った崖に塞がれ、北側には地図にあった通り深い森が谷に向かって落ち込んでいる。 道路は山の外縁に沿っており、入口と出口の先はそれぞれ背後の山を回り込んでしまう為に、この場所から目視する事は不可能であった。 激しい雨にけぶってはいるが、ヘッドライトを煌々と灯した連邦軍の部隊が続々と列を成し進み来る様子が、ここからだとはっきり確認できる。 敵部隊はじわじわと眼下にうねる700m以上続く一本道を鋼鉄の大蛇の様にのたうち進み、やがてすっかり埋め尽くしてしまうのだろう。 今はまだ全容が見えてはいないが、道幅ぎりぎりの大型車両が何台も連なるその威容を目にしたジオン兵は、恐らく連邦軍との圧倒的な物量差を思い知らされ何とも言えない気分にさせられるに違いない。 しかし、この作戦で物量の上に余裕で胡坐をかき、ふんぞり返った連邦軍に一泡吹かせてやる事ができるのだ。 そう思うと、ギラギラと猛る何かを抑える事ができない。 これではいけないと心を落ち着かせる為に大きく深呼吸したバーニィは、カメラのズームを切り替え、もう一度自機に装備された武装をチェックしてみる事にした。 偽装の下でザク改はバズーカの砲口を油断無く眼下の道路に向けている。 今回2機のザク改が装備しているバズーカは従来の280mmザク・バズーカでは無くGB03Kすなわち360mmジャイアント・バズであり射程距離、破壊力共に十分余裕がある。 もともとドム用の装備として登場したジャイアント・バズは威力は高いものの、マニュピレーター形状の違い等から他のMSでは使い辛く敬遠されがちな武器であった。 だがMS-06FZ【ザク改】は、現在ジオンに存在するMSの手持ち式武器の全てを自在に扱える事を前提に設計されているのである。 統合整備計画、伊達ではない。 この事実は単純なスペック以上にザク改が「使える」MSであるという事を意味していると言えるだろう。 武器チェックを終えたバーニィは一息つくと視線を正面のメインモニターに戻し、ニムバスが立案した襲撃計画の段取りと、この作戦における自分の役割を頭の中で反芻していた。 ―――敵の軍団が眼前の一本道にすっぽりと収まったのを見計らい、ニムバスからの合図を受けたガンダム・ピクシーが偽装を解いて敵正面を塞ぎ、まず目前に迫っている先頭車両を破壊する。 これで敵は破壊された先頭車両が邪魔になり前進する事が不可能となる。 地形に阻まれた敵はガンダムに向けて攻撃を加える事ができない。 間をおかずガンダムの攻撃に呼応したザク改2機が敵の上方に位置する崖の中腹から、眼下の敵列中央と最後部車両に向けてそれぞれバズーカ攻撃を行う。 状況によってはバーニィのザク改が単独で敵の最後尾に回り込み、敵の退路を遮断する。 道路の両側は崖と森であり、前に進む事も後ろに下がる事も出来なくなった敵はまさに進退窮まった状況に陥る。 そうなれば連邦兵達は車両を捨て、森に逃げ込むしか術は無い。 逃げる兵士には目もくれず、あらかたの敵車両を破壊したら速やかに撤収するとニムバスは明言している。 例え森に逃げ込んでいた連邦兵が戻って来ても残骸に挟まれた車両は動く事叶わず、もはやオデッサ・ディで彼等がやれる事は何も無いだろう。 ニムバスは今回、自軍の損耗を最大限に抑える事を念頭にこの作戦を立てた。 完璧な伏撃であるこの作戦のただひとつの懸念事項といえば、こちらの意図を事前に敵に察知される事と敵が一本道に納まり切らないうちに攻撃を仕掛けてしまう事のふたつである。 だから自分からの合図を待たずに攻撃を仕掛ける事を、ニムバスはアムロに厳に禁じていたのだった――― バーニィは右手のサブモニターを見る。そこには彼と同じ出で立ちで息を潜めるニムバスのザク改が木々の向こうに映し出されている。 表向きはどうあれ、この部隊の実質的な指揮官はニムバスだという事を自分もアムロも承知している。 現場の全体を把握し統括する為の位置に彼のザク改が陣取っているのがその証であろう。 彼が自分の持つ知識全てを、自分やアムロに実地で叩き込もうとしているのは明白だった。 ニムバスの期待に応えるには、彼の示す全てをこちらも命懸けで吸収して見せるしかない。そうバーニィは密かに覚悟を決めていたのである。 しかし逸るバーニィをあざ笑う様に、ロケットランチャーだと思われる巨大砲身を持つ車両を積んだキャリアーの足は異様に遅い。 ヒルクライム、そしてこの激しい雨が行軍を慎重なものにさせているのだろうか。 敵部隊は視認できる範囲で言えば未だ襲撃予定地点に三分の一にも届いておらず、勿論ここで仕掛けるには早過ぎる。 戦端を開く役回りのアムロも、きっと敵の遅さにじりじりしている事だろう。 そんな事を考えながら時速40キロ程のスピードでもったり坂道を登って来る敵部隊の様子をいらいらと見ていたバーニィは、ぎょっと左手のサブモニターを振り返った。 モニター映り込んでいた・・・木々の間に剥き出しになり雨に打たれていた岩塊が、そのままごそりと滑り落ちたのである。 『しまった!崩落か!?なんだってこんな時に・・・・・・・!!』 自機のほぼ10m真横をえぐり取った巨大な岩塊が、眼下の道路めがけて転がり落ちて行くのを、バーニィはただ茫然と見送るしかない。 岩塊は落下後半壊し、完全に道路を封鎖する格好で動きを止めてしまった。 「ニムバス中尉・・・!」 「慌てるな、じっとしていろ。計画に変更は無い」 接触回線でうろたえた声を響かせるバーニィにニムバスは冷静に応答する。 今ここで動く訳には行かない。敵の部隊は一本道にまだ先頭しか入り込んでおらず、襲撃を掛けるには位置が悪すぎるのだ。 もしここで強引な行動を取れば、間違いなく計画は破綻する。 突発的な事態が起きてしまったが、幸いにも敵は岩塊が落下した位置まで到達しておらず、伏撃作戦が見破られた訳でもない。 敵は周囲を警戒しながら岩塊の除去作業をするだろうが、逆にその警戒を解いた時が最大のチャンスになるとニムバスは確信していた。 眼下の敵は、何としてでもこの場で仕留めてしまわねばならぬ相手なのだ。 今は隠形に集中し、敵の警戒を何としてでもやりすごすべきだ。 ニムバスはそう判断を下したのである。 車両が急停止したのに気付くと、エイガーは瞑目していた両目を開き、キャリアーの助手席でリクライニングにしていたシートを元の位置に戻した。 「・・・何かあったのか」 「申し訳ありません少尉、どうやら落石が前方の道を塞いでいる模様です」 「何だと」 インカムを付けた運転手の言葉を確かめるようにエイガーは側窓から大きく身を乗り出した。 目を凝らすと、確かに前方に停車している数台の車両の向こうに巨大な土くれが鎮座しているのが見える。 その大きさは小型のMS程もあり、確かにこのままでは通行できない事が判る。 「よし。俺のMSを起動させるぞ」 あっさりとそう言い放ったエイガーは助手席のドアを開けて地上に飛び降りた。 「少尉!?まさか新型のマドロックで土木作業をするつもりですか?」 「俺だけじゃないさ。ジムキャノンの2機も作業にあたらせる」 「いや、そういう意味では・・・」 「俺達は急いでる。それにどうせ今回のミッションにはマドロック自体の出番は無いんだ。 役に立つ事があって良かったぜ、これで上にも言い訳が立つ」 運転手は変な顔をしたが、エイガーはそれを一向に気にせず激しく降りしきる雨の中、キャリアーの後方に走り込むと、トラックの幌を外しに掛かった。 オデッサ攻略戦を側面から強力に支援する自走砲大隊指揮官職務執行役としてアンカラに派遣された砲術士官エイガー。 アンカラでは現地で既に展開している部隊と合流し、大部隊を指揮してオデッサの敵陣めがけて、このスコールよろしくロケット弾とミサイルの豪雨を降らせてやる予定である。 今回の作戦、黒海をまたいだ長距離砲撃を敢行するため中距離砲撃しか出来ないMSは実際のところ役には立たない。 しかし自身の手掛ける新型MSであるRX-78-6【マドロック】と、RGC-80【ジムキャノン】の完成度を高める為には実戦データの収集が不可欠であるとのごり押しで、エイガーはこの砲術部隊に都合3機の砲撃用MSの帯同を上層部に認めさせていた。 実際はマドロックの調整から離れる時間が惜しいというのが本音だったが、こういうのを怪我の功名というのだろう。 「MSの出番が来たと後ろの二人に伝えてくれ。『無駄飯食らい』の汚名を返上するチャンスだってな」 近くにいた部下にそう声を掛けると、エイガーは雨粒がなるべく入り込まない様に注意しながら素早くマドロックのパイロットシートに滑り込んだ。 「ニムバス中尉、あれを・・・・・・!」 「何という事だ、MSが随伴していたのか!」 突如敵軍列後方から姿を現した3機のMSにニムバスは慄然とした。 ニムバスも敵部隊にMSがいる可能性を考えていない訳ではなかったが、その確率は極めて低いだろうと思っていた。 なぜなら現在の連邦軍にとってMS自体が貴重であり、オデッサにおいてザクに対抗するMSは重要な戦力の筈だからである。 何よりMSによる襲撃を予想していない部隊に、MSが直衛する必要など無いのだ。宝の持ち腐れという奴である。 オデッサと黒海を挟んだ地のアンカラで、その貴重な戦力を遊ばせておく事は常識で考えればまずあり得ない事だった。 もしニムバスが連邦軍の参謀だったなら、そんな所に割く戦力があるなら迷わずオデッサ攻略の本隊にMSを組み入れるだろう。 ・・・ニムバスのその考察は間違っていた訳ではなかった。 そして、計画通りに事が運んでいればキャリアーに載ったまま連邦のMSは起動する事無くザク改のバズーカで葬り去られていたかも知れなかった。 だが突然の落石というアクシデントとエイガーという砲撃用MSの開発に執念を燃やす仕官の存在が彼の計算を狂わせたのである。 運が悪かったでは済まされない、これが、戦場なのであった。 よりにもよって、現れたMSのどれもが彼等が初めて目にする新型であった。 先頭の1機はアムロが現在搭乗しているガンダムに頭部形状が酷似している。 恐らく同シリーズなのだろうが、両肩に2門の砲身が突き出している所が大きく違う。 後方の2機も一門づつキャノン砲を搭載し、腰にはピストル状の火器がマウントされている。火力は相当に高そうだ。 悠長に構えてはいられなくなったとニムバスは臍を噛んだ。 砲撃車両だけならばまだしも、MSがいるとすれば攻撃の優先順位が変化する。 敵がこちらに気付かなければ良し。気付いた場合には・・・ ニムバスは接触回線でその旨をバーニィに伝えると、豪雨の中でも極力音を立てない様に注意してバズーカの向きを変え、スコープの中心に新型のガンダムを捉え直した。 この隘路に200Mほど進入した地点で停止した車両群を背に、3機のMSは道を塞いでいる岩塊に向かってゆっくりと歩を進めている。 先頭を歩くRX-78-6【マドロック】を操縦するエイガー少尉はその時、ONになっていたレーザー通信回線から微かに聞えた異音にぴくりと片眉を跳ね上げた。 「おい聞えたぞGC2。生あくびならもっと巧妙に噛み殺せ」 「す、すみませんエイガー少尉」 RGC-80【ジムキャノン】に搭乗するサカイ軍曹の慌てた声にエイガーは苦笑する。 先刻までのエイガーと同様に、彼の部下である2人のパイロットもそれぞれの場所で仮眠を摂っていたにちがいない。 まあ無理もあるまいとエイガーは思う。ここ数日不眠不休の調整に追われた挙句、夜通しトラックで走り続けて来たのだ。 エイガー自身も鉛の様な疲労が抜けず、目の奥と体の節々が痛い。彼と部下達の疲労は今やピークに達していた。 「大体が、開発計画がタイト過ぎるんですよ・・・」 こちらのボヤキはもう1機のジムキャノンを操縦するゲラン軍曹である。 彼等2人はエイガーが戦車兵の頃からの部下であり、MS適性試験にも同時に合格した同期の戦友だった。 「泣き言を言うなGC3。例のV作戦の試作艦が搭載MSごとジオンの手に落ちたんだ。 その分こっちの開発計画が早まったのは仕方の無い話だ」 「4号機や5号機の開発クルーも随分ストレスが溜まってるみたいですよ?」 「もともとセカンドロットのRXシリーズはRX-78-2の戦闘データをフィードバックして開発を進める予定だったからな・・・」 エイガーはモニターに映った僚機の顔を見て『GM系のMSもな』という言葉を辛うじて飲み込んだ。 正味な話、ジオンに比べMS開発の経験が浅い連邦にとって、RX-78-2ガンダム搭載の教育型コンピューターに蓄積された生の対MS実戦データは咽から手が出るほど欲しい宝だったのである。 エイガーが試算してみたところ、これが移植されなかった為に連邦のMSは、軒並み30%の性能アップが出来なかった・・・と出た。 それは翻って連邦の量産型MSがそれだけ戦力ダウンしたという事を意味している。 いずれ連邦パイロットが熟練するに従いこの差は徐々に埋めて行けるとは言うものの、それまでこの戦争が続いているかどうかは保証の限りでは無いのだ。 現時点の連邦軍にとってこれは深刻な痛手であろう。 もちろんこれはあくまでも試算値であって厳密な数値では無いが、その結果はエイガーを暗澹たる気分にさせるには十分だった。 それを知ってか知らずか、サカイは呑気な声で更に話を続ける。 「RX-78-2のパイロットはえらく優秀だったらしいですね。何でも赤い彗星と互角に渡り合ったとか。 その戦闘データさえあれば、RGMシリーズだってもっと強化できたでしょうに」 「もうやめろ。たらればの話はここまでだ」 歴史は動いたのだ。時計の針を戻す事ができない以上、いまさら何を残念がっても詮無い事なのである。 「俺達は目の前にある仕事から片付けよう。まずはコイツだ」 ゆるやかにカーブした700~800メートル程続く一本道のほぼ真ん中付近。 連邦の車両が進入してきた隘路入り口から約400メートルの地点で、縦横それぞれ15メートルもあろうかという巨大な岩塊が完全に道路を塞いでいる。 エイガーは岩塊をモニター越しに確認すると一旦機体を止め、それが落ちて来たと思われる崖の中腹まで軌跡を辿るようにマドロックの頭部メインカメラを振り向けた。 岩塊は木々を薙ぎ倒して転がり落ちて来たらしく、その形跡を辿る事は比較的容易い事であった。 エイガーとしては単に連鎖的な崩落の危険を見極めようとしただけの確認作業だったのだが・・・・ 「・・・!!」 その瞬間、彼の両目は見開かれ全身は総毛立った。 崖の中腹、周囲に溶け込む偽装ネットを被せてはいるが、その奥に微かに覗く、濡れた雨に照り返す金属特有の鈍い輝きは見紛い様も無い。 エイガーは、大岩がこそげ落ちた崩落部分のやや脇に潜む、2体のMSを目聡く発見したのである。 ちなみにマドロックに搭載されたセンサーは、ミノフスキー粒子と激しいスコールに阻まれ何も反応していない。 恐るべき事に彼は長年の砲術戦で鍛え培った視力と観察眼、そして注意力のみで偽装潜伏しているザクを看破したのであった。 「・・・GC2、GC3、レーザージャイロと火器管制システム同期だ、くれぐれも唐突な機動は慎めよ・・・・!」 「は?」「唐突な機動?」 突然押し殺した声で命令を下して来たエイガーに部下の2人は戸惑ったものの、指示通りに2機のジムキャノンはマドロックにシステムを同調させる。 これで2機のジムキャノンそれぞれのサブモニターには、マドロックが『見て』いる映像が映し出される事となる。 ミノフスキー粒子の干渉をそれ程受けず、ある程度の範囲をカバーできるレーザー通信でお互いのMSはデータを共有している。 スイッチの切り替えで、リーダー機であるマドロックのマークした照準に合わせて、システム管理下に置かれたジムキャノンが同時に多方向から砲撃する事も可能だ。 これが、戦車兵上がりの砲術士官エイガーが砲撃用MSに組み込んだ兵器統合火器管制システムであった。 これにより連邦軍の砲撃MS同士は集団戦において有機的な運用が可能となったのである。 「少尉、いきなりどうしたんで・・・・うっ!?」 「これは・・・・!?」 GC2とGC3、二機のジムキャノンパイロットは同時に息を呑む。 「見ての通り、10時方向に潜伏中の敵MS2機を発見だ。あわてるなよ、知らんフリをしながら動け」 「GC2了解・・・!」「ジ、GC3了解・・・」 マドロックは見上げていた頭部を正面の岩塊に戻し、ゆっくりと歩を進め更に岩塊に近付いてゆく。 ややぎこちなくその後を2機のジムキャノンが続くが、その動きは辛うじて遠目には不審なものとは映らなかっただろう。 もちろんエイガー達はサブカメラの映像を崖の中腹に潜んでいる2機のMSから外しはしない。 3体のMSによる映像は3体のMSで共有統合され、刻一刻と立体的に対象物のデータを解析し、測定を進めてゆく。 素早くエイガーが画像をズームアップすると、ザクが被っている偽装ネットの隙間から二本のバズーカらしき砲口がこちらを向いているのが確認できた。 その事実に心臓が鷲掴みにされたかの様な衝撃を受けたエイガーだったが、最前線で砲兵隊を率いジオンの鉄巨人ザクと生身で戦って来た彼は、ある種のクソ度胸が備わっていた。 「まさか、この落石は我々をおびき出す為の罠・・・?」 「いや違うな、それならもう我々は攻撃を受けている。恐らく、これは敵にとってもアクシデントだったんだ」 本心は一刻も早く敵の射線から逃れたいのだろう。サカイの青ざめた声を、しかしエイガーは毅然とした声で否定した。 「アクシデント、ですか・・・」 「敵MSのデータはありませんね・・・どうやら新型の様です」 解析を進めるゲラン軍曹の緊張した声も、やや震えている。 「敵はこのまま我々が自分達の存在に気付かずにこの大岩を撤去し、当初の予定どおりここを通過するのを待っているんだ。 そして、がら空きになった隊列の横腹に満を持して砲弾を叩き込むつもりなんだろう。 こんな場所で砲撃されたらどうにもならない所だったな。我々は運がいいぞ」 そう言いながらエイガーはニヤリと笑う。 「そ、それじゃ後方の車両部隊の皆に早く知らせないと!」 「待て、今、車両部隊が動けば敵に気付かれてしまう。ここは逆に、奴等の裏をかいて始末するチャンスだ。見ろ」 エイガーが弾く様にボタンを押すと、照準モニターには地形に被せるように敵MSと味方部隊の位置が地図上にクッキリと表示された。 多角的に解析を終えたデータは明確に、そして残酷に、隠れ潜んでいる敵の居場所を浮かび上がらせたのである。 RX-78-6【マドロック】は両肩に装備された300mm低反動キャノン2門と現在は腰にマウントされているビームライフルを同時に、同(異)照準めがけて発射する事ができる。 特に都合3本の火線を集中する収束攻撃は現時点で存在するMSの中でも、最大級の破壊力を持つ攻撃と言っても過言では無いだろう。 一方ジムキャノンもマドロックに一撃の威力でこそ劣るものの、同様に右肩に装備された240mmロケット砲とビームスプレーガンを同時に標的に向けて発射可能である。 これらの攻撃をシステムによってリンクした3体のMSから浴びせられれば、対象物はひとたまりもないだろう。 だがその為には巧妙に敵の隙を突く必要があるとエイガーは考えた。 「よし、全機停止だ。すみやかに岩塊に向けて砲撃姿勢を取れ」 道路の真ん中に鎮座する岩塊まであと100メートルという所でエイガーは部下達に指示を出した。 先頭のマドロックをアローフォーメーションで後方左右から追尾していた部下達のジムキャノンはその場で足を止め、右半身に構えた前傾姿勢を取る。 「これで敵からは我々が邪魔な岩を排除する為に砲撃するつもりに見える筈だ。 だが実は違う・・・! カウントダウンと共に『ターゲット』に向けて一斉攻撃だ、いいな」 エイガーの言葉を復唱し、ごくりと唾を飲み込んだサカイは眼前の岩ではなく、ターゲットスコープに10時方向で照準固定されている敵のMSを捉えている。 スイッチ一発で彼等の機体はロックされた方向へ瞬時に向きを変え、同時に砲弾を吐き出すのだ。 これは敵の意表を付く攻撃であるはずだ。回避や防御は、ほとんど不可能であろう。 「周囲に敵の仲間がいる可能性もある。念の為、砲撃後はすぐに散開するのを忘れるな。 ターゲット撃破後、車両も一斉に後退させる。カウントダウン、5・・・4・・・」 「どうやら、奴ら、俺達には気付けなかったみたいですね・・・」 「・・・・・・」 安堵したようなバーニィの声に、ニムバスは沈黙で答えた。 モニターには小降りになって来たスコールの中、道を塞ぐ岩塊に向けて三角フォーメーションで砲撃姿勢を取った3体の連邦製新型MSが映し出されている。 少しでも敵が不審な動きを取った場合は躊躇無く行動に移るつもりで神経を張りつめていたニムバスだったが、どうやら杞憂で済んだ様だ。 漠然とした不安は拭い切れていないが、このまま滞りなく事が進めばそれに越した事は無い。 いやむしろ、警戒心が強過ぎるのは逆に戦術の幅を狭めるかも知れない。 折角なら連邦製の新型MSが放つ攻撃の破壊力を見極めてやるのも悪くは無いかとニムバスがふと肩の力を抜いた瞬間・・・ まるで示し合わせたかの様なタイミングで3機の砲口が一斉にこちらを向いた。 「しまっ・・・!!バーニィ!!」 目を見開いたニムバスの絶叫は、強烈な爆発音に掻き消された。 「うおっ・・・!!」「な、何だ!?」 エイガーとサカイが同時に叫ぶ。 彼等のMSが体勢を変えた瞬間、轟音を立てて粉々に消し飛んだのは、眼前で行く手を阻んでいた岩塊だったのである。 突然の事に度肝を抜かれ、彼等はザク改に向けての攻撃を一瞬ためらわざるを得なかった。 ニムバスの瞳がギラリと光る。 「飛べ!バーニィ!!」 「了解っ!!」 ニムバスとバーニィのザク改はこの機を逃さずバーニアを轟然と轟かせ偽装網をかなぐり捨てて飛翔し、後背にそびえ立つ崖の稜線を一気に越えてエイガー達の視界から姿を消した。 逃げ場の無い崖を背にして敵に攻撃を仕掛けたり、敵の待つ道路に飛び降りたりせず、ジャンプして崖の背後に回り次の行動に移行する。 これは予めニムバスがバーニィに指示していた非常時における回避行動であった。 例え相打ち覚悟で敵の撃破に成功しても、こちらの被害がそれを上回れば意味は無いのだ。 分が悪くなれば、躊躇なく、引く。 あらかじめニムバスは作戦失敗の咎を全て自分が負うつもりで、アムロとバーニィにそう言い含めていたのである。 ちなみにこの大胆な退避手段は、従来のザクに比べて格段に推力がアップしているザク改ならばこそ可能な荒業であった。 「ああっ!糞!!奴等を逃がしちまったっ!!」 「構うな!それより前方に注視しろ!!」 卓抜したエイガーの目は、その時朦々と立ち込める爆煙の遥か向こうに朧立つ 新たなターゲットを捉えていたのである。 エイガーがモニター越しに目を凝らした 刹那、上がり掛けたスコールの中を一筋の雷光が一直線に貫き、轟音と共に丘の上に立つ敵MSの精悍なシルエットを浮かび上がらせた。 その細身なMSは、砲口から白煙たなびく無骨な巨砲をアンバランスに捧げ持ち、華奢なボディラインを禍々しいものに変貌させている。 ふと、その顔がこちらを向き、まるで人間の様な『双眸』がマドロックのそれと交錯する・・・・・・! 「何っ!?ガンダム・・・だと!?」 普段何事にも動じないはずのエイガーが息を呑む。 それは、敵味方に分かれた【ガンダム】が、初めて遭遇した瞬間だった。
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罠解体 速攻魔法 相手の罠カードの発動を無効にする。 その後、そのカードを装備カード扱いとしてモンスター1体に装備する事ができる。 罠無効 装備 魔法
https://w.atwiki.jp/dunpoo/pages/787.html
■衛生・食の安全08Ⅲ から 130628 BSEの全頭検査、一斉廃止 7月から「48カ月超」 [東京] 110127 鳥インフル止まらない 宮崎・鹿児島に続き愛知でも陽性 [朝日] 100523 種牛49頭延命、副大臣「認めぬ」 宮崎知事願い届かず [朝日] 1211 米国の死者1万人に 新型インフル、感染は6人に1人 [朝日] 0916 「エコナ」出荷停止 発がん物質に変わる恐れある成分 [朝日] 0821 新型インフルが流行期入り 先週だけで11万人受診 [朝日] 0616 タミフルの10代使用見合わせ継続…厚労省の調査会が結論 [読売] 0517 橋下知事、「新型インフル対応」見直しを厚労相に要請 [朝日] 0430 WHO、警戒水準をフェーズ5へ引き上げ 豚インフル [朝日] 0429 成田など3空港で「機内検疫」、段取り悪いと憤慨の客も [読売 0428 政府が「新型インフル」宣言…WHOの警戒度引き上げ受け [読売] 0426 解説豚インフルエンザとは [朝日] 0425 メキシコで豚インフル?60人死亡 米で人・人感染確認 [朝日] 0313 BSE全頭検査「やめられぬ」 全自治体、自腹で継続へ [朝日] 0224 クローン牛・豚は「食品として安全」 [読売] 名前 コメント ↑ご自由にコメントをお書き下さい。 130628 BSEの全頭検査、一斉廃止 7月から「48カ月超」 [東京] 千葉県は28日、牛海綿状脳症(BSE)の全頭検査廃止を決めた。厚労省によると、全頭検査を実施してきた全75自治体が6月末の一斉廃止でそろった。食の安全・安心確保のため2001年に導入された全頭検査は12年で役割を終え、7月1日以降は月齢48カ月超の牛に限って検査が実施される。 田村厚労相は28日の閣議後の記者会見で、全頭検査について「国民の不安を払拭するのに意味はあった。日本が(BSE発生リスクの観点から)最も安全な国に入り、『必要ない』という流れになった」と述べた。 (共同) 110127 鳥インフル止まらない 宮崎・鹿児島に続き愛知でも陽性 [朝日] 全国で鳥インフルエンザの感染が拡大している。宮崎、鹿児島の両県に続き、愛知県豊橋市でも26日、死んだ鶏の簡易検査で鳥インフルの陽性判定が出た。農林水産省は、3日間で約450羽の鶏が死んだ状況から、感染力の強い高病原性の可能性が高いとみている。 遺伝子検査でウイルスが高病原性と確認されれば、家畜の鶏への感染は昨年11月以降、全国で5例目となる。その場合、発生農場の鶏約15万羽はすべて殺処分される。 愛知県によると、豊橋市の採卵鶏農場から26日朝、「相当数の鶏が死んでいる」と県に通報があった。23日に死んだのは10羽だったが、24日は178羽、25日は120羽、26日は150羽以上が死んでいた。通報は、大量死が始まって3日目だった。 異常があったのは、窓がない密室性の強い「ウインドレス」型鶏舎。ベニヤの壁などで仕切っただけの「開放型」と違い、野鳥の侵入を防ぐネットを張りめぐらす必要がない。ただし、換気扇はあったという。農水省は専門家によるチームを現地に派遣し、感染経路を調べる。 通報があった農場の10キロ圏内には、約50戸の鶏やウズラなどの農家があり、計約400万羽が飼育されている。愛知県内では、2009年2月に豊橋市内のウズラ農家で高病原性のH7型の鳥インフルエンザウイルスが検出されるなどし、約160万羽が殺処分された。 今季はこれまでに、高病原性ウイルスが島根県安来(やすぎ)市、宮崎市、宮崎県新富町、鹿児島県出水(いずみ)市の3県4カ所の養鶏場で確認されている。農水省は愛知県を含め、距離的に離れていることなどから直接的な関連は薄く、同時多発的に発生しているとみている。 一方、22日に高病原性と判明した宮崎市の発生をめぐり、農水省は26日、移動制限区域(発生箇所から半径10キロ圏)内にある37養鶏場に関し、卵の出荷を27日から許可することを決めた。サンプル検査などでいずれも鳥インフル陰性が確認されたためで、卵の出荷は5日ぶりになる。鶏肉については引き続き出荷を禁じている。 ◇ 1月22日以降、相次いで鳥インフルの感染が確認された宮崎、鹿児島、愛知の各県は全国有数の畜産県。農林水産省の2009年の統計によると、肉用鶏(ブロイラー)の飼育羽数で、1位の鹿児島県と2位の宮崎県で全国の35%を占める。採卵鶏でみると、愛知県は全国3位、鹿児島県は4位。農水省は「現時点では鶏肉や鶏卵の流通への影響は限定的」とするが、発生箇所の半径10キロにある全養鶏場で一時出荷が禁止されるため、供給への不安も出てきそうだ。 流通業界の対応は、いまのところ冷静だ。愛知県と静岡県に8店舗がある「クックマート」(愛知県豊橋市)の担当者は「店頭では問い合わせがあれば、加熱すれば安全と説明している。それでも気になるという方には、返品に応じる予定」と話す。 鶏肉や卵を食べて、人に感染した例はない。独立行政法人・動物衛生研究所(茨城県つくば市)はホームページに高病原性鳥インフルエンザに関するQ&Aを掲載し、適切に加熱すればウイルスは死滅する、と紹介している。 100523 種牛49頭延命、副大臣「認めぬ」 宮崎知事願い届かず [朝日] 宮崎県での家畜伝染病、口蹄疫(こうていえき)問題で、東国原英夫知事が種牛49頭を特例で殺処分しないよう求める意向を示したことについて、山田正彦農林水産副大臣は23日、同県内で記者団に対し「(特例は)認められない」と述べた。殺処分されると、宮崎の種牛は特に優秀な「エース級」5頭を残すのみとなる。 宮崎県では県家畜改良事業団(高鍋町)に55頭の種牛がいたが、16日、同事業団の牛に感染の疑いが発覚。13~14日に避難していたエース級6頭を除く49頭は、家畜伝染病予防法に基づけば殺処分となるが、東国原知事は22日、「このままでは宮崎から種牛がいなくなる」として、特例での経過観察措置を国に求める意向を示していた。山田副大臣はこの49頭について「殺処分が終わっていないこと自体がおかしい」と指摘した。 避難した6頭のうち1頭は感染の疑いで22日に殺処分が終わり、残る5頭は特例で経過観察となっている。 23日は前日に続き、発生農場から半径10キロの圏内の家畜へのワクチン接種が行われ、対象の約14万6千頭のうち約7万頭で作業を終えた。 農水省は23日、同県内の4市町にある12の農場などで新たに感染の疑いのある牛や豚、ヤギが見つかったと発表した。感染疑い・確定例は計193例になった。 1211 米国の死者1万人に 新型インフル、感染は6人に1人 [朝日] 2009年12月11日11時0分 【ワシントン=勝田敏彦】米疾病対策センター(CDC)のフリーデン所長は10日の記者会見で、米国での新型の豚インフルエンザの死者が約1万人に達したと発表した。高齢者の死亡が多い季節性インフルエンザと異なり、死者のうち17歳までの子どもが約1100人、18~64歳が7500人を占めた。 今回の発表は4月以降11月14日までの推定で、CDCは、米国民の6人に1人にあたる5千万人が発病したとみている。 所長は「インフルエンザの勢いは弱ってきている」と述べたが、ウイルスが変異する可能性もあるため、「 0916 「エコナ」出荷停止 発がん物質に変わる恐れある成分 [朝日] 2009年9月16日20時25分 花王は16日、「体に脂肪がつきにくい」とうたった特定保健用食品の食用油「エコナ クッキングオイル」について、体内で発がん性物質になる恐れがある成分が含まれていることがわかったとして、エコナ関連商品(12種類59品目)の出荷を停止すると発表した。スーパーなどには販売自粛を要請。返品を求める消費者には代金を返す。 花王によると、問題の成分はグリシドール脂肪酸エステル。体内で分解されると、発がん性物質のグリシドールになる可能性があるという。同社の分析によると、エコナにはグリシドール脂肪酸エステルが一般的な食用油の10~182倍含まれていた。 同成分は意図して製品に配合されたものではなく、油のにおいを除くために加熱する工程で、副産物としてできたという。エコナ事業担当の安川拓次グループ長は「商品の安全性に問題はないが、不安を感じる方がいるため、安心して食べてもらえるようにするまで出荷を止めることにした」と説明。同成分の含有量を大幅に減らし、来年2月にも再び販売するとしている。 問い合わせ先は、エコナ消費者相談室(電話0120・501・243、9月末まで毎日午前9時~午後7時、10月以降は平日の午前9時~午後5時)。 花王によると、ドイツの研究機関が今年3月、加工した植物油を原料に使った粉ミルクに、MCPDエステルと呼ばれる発がん性物質が含まれていると報告。花王もエコナの原料に加工した植物油を使っていることから、6月に成分を分析した。その結果、MCPDエステルは検出されなかったが、グリシドール脂肪酸エステルが見つかったという。厚生労働省も同じころに調査を求めていた。 ただ、同省によると、グリシドール脂肪酸エステルが分解されてグリシドールになるかどうか、分解されたとしても体内に吸収されるかどうかは分かっていないという。 また、厚労省によると、エコナには、ジアシルグリセロールという別の成分も、一般的な食用油に比べて高濃度に含まれている。エコナシリーズのマヨネーズが特保に申請された際、一部の実験で感度を高めた特殊なラットにがんが発生。同省は05年、食品安全委員会にジアシルグリセロールを含む食品の安全性を評価するよう要請し、食品安全委が安全性を調べている。このジアシルグリセロールについて、花王は16日、「安全性に問題がないことを確認している」とコメントした。 ◇ 〈エコナ クッキングオイル〉 大豆と菜種から取った油脂のジアシルグリセロールを主成分にした食用油。この油脂が他の食用油に比べて脂肪をつきにくくする効果があり、98年5月に厚生省(現厚生労働省)から特定保健用食品に認められ、99年2月に発売した。ドレッシングソースやマヨネーズ、ドッグフードなど計12種類59品目に使われ、花王のエコナシリーズの08年度の売上高は約200億円。 0821 新型インフルが流行期入り 先週だけで11万人受診 [朝日] 2009年8月21日21時42分 厚生労働省は21日、新型の豚インフルエンザが全国的に流行期に入ったと発表した。国立感染症研究所の推計では、最新の1週間(8月10~16日)にインフルで約11万人が全国の医療機関を受診。全国約5千の医療機関の定点調査では、1週間に受診した1医療機関あたりの患者数は1.69人で、「流行開始」の目安の「1人」を初めて超えたという。夏に流行するのは調査を始めた80年代以降で例のない事態だ。 季節性インフルも交ざっている可能性もあるが、ほとんどが新型インフルとみられる。厚労省は「新型インフルの流行シーズンに入った」としている。 都道府県別では、1医療機関あたりの患者数は、沖縄県(29.60人)が最も多く、次いで奈良県(2.96人)、滋賀県(2.48人)など。「1人」を超えた自治体は26都府県で、前週の6都府県から急増した。前週(8月3~9日)は全国で0.99人。 季節性インフルでは過去10年、流行開始から5~10週間でピークを迎えたが、1医療機関あたりの報告数の最多は50.07(04~05年)だった。 新型インフルが大半とみられる今回は、7月から急激に患者数は増えている。厚労省は新型の感染拡大の予想は難しいとするが、秋以降に流行を迎えるとみて準備していた対策の前倒しを迫られる。 厚労省は感染者の重症化予防を最大の目的にして対策を進めるとしている。9月に、重症化しやすい、ぜんそくなど持病のある小児患者の親らを集め、感染防止策などを説明する予定。 また、厚労省のまとめでは、7月28日から8月18日までに新型インフルによる入院患者は累計230人で、うち、15人が急性脳症や人工呼吸器が必要な状態に陥った。 入院患者全体のうち、糖尿病や腎臓、心臓の病気、ぜんそくなどの持病があったり、妊娠したりしていたのは93人で、約4割を占めている。 年代別では、入院患者のうち19歳以下が8割。21日までに亡くなった3人は、いずれも基礎疾患がある50~80代。 新型インフルの流行警報が19日に出た沖縄県。県立中部病院内科・感染症科の遠藤和郎医師は「軽症の方が救急病院や総合病院に集中すれば、病院機能がまひしてしまう。まずは、近くの開業医を訪ねて欲しい」と呼びかける。 0616 タミフルの10代使用見合わせ継続…厚労省の調査会が結論 [読売] 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会安全対策調査会は16日、インフルエンザ治療薬タミフルを服用した子供に飛び降りなどの異常行動が相次いで報告された問題について、10代への使用を見合わせている現在の措置を継続するとする結論をまとめた。 調査会は、インフルエンザと診断された17歳以下の患者約1万人の疫学調査や動物実験などのデータを基に、措置を見直すべきかを議論した。その結果、〈1〉タミフル服用と異常行動との関連を否定しきれない〈2〉使用見合わせ後に異常行動で死亡した服用患者がいない――ことなどを理由に、今月3日に作業部会がまとめた継続方針を支持した。 出席者からは「タミフル服用者だけでなく、他の治療薬の服用患者や薬を飲んでいない患者にも異常行動は出ている」として解禁を求める意見が出たが、調査会は「積極的に措置を見直す理由にはならない」と退けた。ただし、新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の感染者や濃厚接触者については、厚労省が特例として10代の服用を認めている。 (2009年6月16日20時15分 読売新聞) URL http //www.yomiuri.co.jp/science/news/20090616-OYT1T01011.htm 0517 橋下知事、「新型インフル対応」見直しを厚労相に要請 [朝日] 2009年5月17日19時59分 大阪府の橋下徹知事は17日の記者会見で新型インフルエンザへの対応について、「これでは大阪がマヒする。通常のインフルエンザの対応に切り替える必要があるのではないか」と述べ、舛添厚生労働相に見直しを要請したことを明らかにした。また、病床数不足が懸念されるため、同日から感染が確認されても、軽症者なら入院ではなく自宅療養を求める方針に変更した。 橋下知事は会見の中で、「現在の対応は強毒性の鳥インフルエンザをもとにしており、患者が発生するたびに学校の休校やイベント自粛をすれば、大阪の都市機能はマヒしてしまう」と指摘。その上で「今回の病原性は低いのではないかと思っている。病原性、毒性についての知見を示していただきたい」と述べ、18日の全国知事会で舛添厚労相に対し、改めて政府の見解を求める意向を示した。 これに先立って、府は橋下知事を本部長とする新型インフルエンザ対策本部会議を開催。感染の拡大防止策として、感染が確認された関西大倉高校の生徒が住む茨木、豊中、吹田の3市全域を対象に、公立・私立小中高校と幼稚園などを原則23日までの1週間休校するよう要請。3市で府が主催するイベント中止や民間のスポーツ施設や映画館などの集客施設にも休業を要請することを決めた。 こうした措置について橋下知事は会見で「感染を遅らせるために必要な対策」と説明。府民に対し「今回の新型インフルエンザは病原性が低く、適切な治療を受ければ回復するので落ち着いて行動して欲しい」と呼びかけた。 URL http //www.asahi.com/national/update/0517/OSK200905170047.html 0430 WHO、警戒水準をフェーズ5へ引き上げ 豚インフル [朝日] 2009年4月30日5時16分 【ジュネーブ=南島信也】新型の豚インフルエンザの感染拡大が世界各国で歯止めがかからない状況を受け、世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長は29日夜、緊急記者会見し、警戒レベルを「フェーズ4」から「フェーズ5」に引き上げると発表した。メキシコ、米国以外の地域で感染者が増加し、二次感染とみられるケースも増えていることから、引き上げが必要と判断した。 警戒レベルは27日に「フェーズ4」に引き上げられたばかり。「フェーズ5」は人と動物の混合ウイルスによる地域単位の感染が、1つのWHO管轄地域内の2カ国以上で起きており、大流行(パンデミック)の兆候があると認定された場合に宣言される。 URL http //www.asahi.com/international/update/0430/TKY200904300001.html 0429 成田など3空港で「機内検疫」、段取り悪いと憤慨の客も [読売 新型インフルエンザ発生が宣言された28日、米国本土やカナダから成田、関西、中部の3空港に到着した航空便では、乗客を機内に留め置いたまま健康チェックを行う「機内検疫」がスタートした。 初日は新型患者と疑われる乗客はおらず、目立ったトラブルもなかったが、検疫官の手が足りずに2時間近くかかるケースも。大型連休を迎える空港では当分、混乱が続きそうだ。 ◆乗客 成田空港の機内検疫は午後1時過ぎ、米アトランタ発の便から開始。厚生労働省成田空港検疫所の検疫官らは、制服の上から黄色い防護服に手袋、ゴーグル、マスクを着けて機内に乗り込んだ。乗客は自身の座席で検疫官から携帯型サーモグラフィーで体温チェックを受け、旅行中に風邪の症状がある人に接触しなかったかなどを調べるための質問票に書き込んだ。 乗客は降りる際、手渡されたマスクを着けた人がほとんど。手の消毒も行われ、到着ゲートには、病院のような消毒臭が漂った。 (2009年4月29日03時05分 読売新聞) URL http //www.yomiuri.co.jp/national/news/20090429-OYT1T00077.htm 0428 政府が「新型インフル」宣言…WHOの警戒度引き上げ受け [読売] 世界保健機関(WHO)は27日、世界的に感染が拡大する豚インフルエンザの警戒レベルを現行の「フェーズ3」から大流行の可能性が高まったことを示す「フェーズ4」に引き上げた。 これを受け、舛添厚生労働相は28日朝、感染症法で規定する新型インフルエンザがメキシコ、アメリカ、カナダの3か国で発生したと宣言した。日本政府は麻生首相を本部長とし、全閣僚で構成する「新型インフルエンザ対策本部」を設置した。同日昼に初会合を開き、ウイルスの国内侵入阻止などのための対策を決める。 【ジュネーブ=金子亨】世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長は、27日出した声明で、「大流行の可能性が高まった」として、「警戒レベルを『3』から『4』に引き上げる」と宣言。この決定は「人から人へ感染し、集団感染を引き起こすウイルスの能力を踏まえたもの」と説明した。 決定に先立ち、各国の専門家からなるWHO緊急委員会が米国、メキシコ、カナダで発生が確認された豚インフルエンザ(H1N1型)のデータやそのほかの国への拡散の現状を検討、警戒レベル引き上げを事務局長に提言した。 チャン事務局長は、同時に「国境封鎖や旅行制限をすべきでない」と勧告。その理由として、「ウイルスが広く拡散してしまっており、封じ込めは不可能」とした。警戒レベルの引き上げ決定後、記者会見したWHOのケイジ・フクダ事務局長補代理は、今のところ、メキシコや米国以外の感染は、両国への「旅行者に限られている」とし、世界各地で人から人への感染が続出している状況ではないと指摘。だが、今後の推移によって、警戒レベルはさらに大流行一歩手前を示す「5」に格上げされる可能性もあれば、「3」に戻されることもあると述べた。国境封鎖や旅行制限に慎重な理由として、「各国への政治的、経済的影響も考慮した」と語った。 世界で感染が確認されたり、疑いが出た人はさらに拡大。メキシコでは27日、死者は46人増え149人に、感染者は疑い例を含めて1995人に達した。韓国では28日、女性1人に感染の疑いが出た。感染が確認されたり疑いがある人は、18か国に広がった。 ◆WHO声明の骨子◆ ▽警戒レベルを「3」から「4」に引き上げる ▽豚インフルエンザ大流行の可能性は高まったが不可避ではない ▽今後、レベルのさらなる引き上げもあり得る ▽この決定は、人から人への感染を示す疫学的データに基づく ▽新型インフルエンザ封じ込めは不可能な段階 ▽国境封鎖や外国旅行の制限はすべきでない ▽季節性インフルエンザのワクチン製造は続行すべき。WHOは豚インフルエンザワクチンの製造を支援 (2009年4月28日13時06分 読売新聞) URL http //www.yomiuri.co.jp/national/news/20090428-OYT1T00565.htm 0426 解説豚インフルエンザとは [朝日] 豚に感染して呼吸器症状を起こすインフルエンザ。通常は人に感染せず、まれに感染しても軽症ですむと考えられていたが、豚のH1型ウイルスが人や鳥のウイルスと豚の体内で混ざって変異し、新型インフルエンザの条件のひとつである「人から人にも感染するウイルス」になったとみられている。 焼いたり煮たりすればウイルスは死滅するため、きちんと加熱調理してあれば、豚肉やハムなどを食べても感染することはない。感染を防ぐ方法としては、まず流行地域には出かけないこと。人込みを避け、マスクをつける、外出から帰ったら手を洗いうがいをするなど、ふつうのインフルエンザと同様だ。 URL http //www.asahi.com/topics/%E8%B1%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B6.php 0425 メキシコで豚インフル?60人死亡 米で人・人感染確認 [朝日] 2009年4月25日1時56分 【パリ=国末憲人、ワシントン=勝田敏彦】世界保健機関(WHO)は24日、豚インフルエンザでメキシコ国内で60人が死亡した可能性があると発表した。一方、米疾病対策センター(CDC)は同日、3月以降、カリフォルニア州とテキサス州で確認された豚インフルエンザウイルスについて、人から人に感染するウイルスであると断定した。WHOはメキシコの一部の感染者のウイルスとカリフォルニア州で確認されたものが同じ遺伝子構造だったと発表した。 WHOの発表によると、メキシコでは人への感染が疑われるケースが3月末以降数百件発生し、60人が死亡した可能性がある。メキシコ市周辺で約800件の感染の疑いが報告され、このうち57人が死亡。さらに中部サンルイスポトシ地方でも似た症状24例が報告され、3人が死亡した。 AFP通信によると、メキシコ政府は16人は豚インフルが原因で死亡したと確認したと発表した。 インフルエンザで死亡する場合、一般的には肺炎などを引き起こす。患者の多くは、普段病気に縁の少ない青年層だという。ロイター通信によると、24日はメキシコ市の学校の多くが休校になる。 AFP通信によると、メキシコ政府は感染を広げないために集会を避けたり、地下鉄の使用を避けたりするよう呼びかけている。 米国の感染について、CDCは「ウイルスは感染性で、人から人へ拡大することを確認した」としている。ただ、「現時点では、どれほど容易に感染が広がるかはわからない」という。米国内では7人の患者が確認されているが、いずれも回復している。ただ、AFP通信によるとCDCの報道官は「非常に懸念している」と述べた。 一方、CDCによると、豚インフルエンザウイルスに人が感染する例はまれで、米国内ではこれまで1、2年に1人の割合だった。 だが今回、米国で見つかった豚インフルエンザウイルスは、豚と鳥と人のそれぞれに感染するウイルスの遺伝子が混じった未知の構造の遺伝子を持っており、遺伝子が変化したことで、人への感染力を持つ新型ウイルスになった可能性がある。 厚生労働省の担当者は24日、深夜まで情報収集に追われた。担当部署の新型インフルエンザ対策室の職員は、WHOやCDCの情報をホームページで確認したり、関係機関に問い合わせたりした。 URL http //www.asahi.com/international/update/0424/TKY200904240307.html 0313 BSE全頭検査「やめられぬ」 全自治体、自腹で継続へ [朝日] 2009年3月13日21時3分 国が昨夏から補助金を打ち切った生後20カ月以下の国産牛に対する牛海綿状脳症(BSE)検査について、牛を扱う食肉衛生検査所を持つ44都道府県と33市の計77自治体がすべて、新年度も独自財源で検査を続けることが、13日わかった。多くは検査をやめても安全性に問題はないと考えていたが、消費者の「安心」を重視。「単独ではやめられない」とした。 都道府県には科学者や業者などでつくる任意団体「食の信頼向上をめざす会」(会長=唐木英明・東大名誉教授)がアンケートし、結果を13日発表した。33市には朝日新聞が問い合わせた。 都道府県が答えた検査継続の理由(複数回答)は、「消費者が求めている」が35件と最も多く、「他の自治体と違う判断は難しい」(18件)などが続いた。 33市からの聞き取りでも、32市が「消費者の安心のため継続する」と回答。その多くは「20カ月以下の検査をやめても安全性に問題はないと思っている」としたが、「他の自治体がやめない以上、単独で廃止できない」と答えた。安全性に問題がないことは「国がまずきちんと国民に説明するべきだ」(福島県郡山市)などと要望が相次いだ。 国は昨年7月末まで20カ月以下の検査費も全額補助。07年度は1億4千万円かかった。だが飼料規制や脳や脊椎(せきつい)などの除去が徹底されていれば、検査をやめても感染リスクは極めて低いと食品安全委員会が判断したのを受け、補助金をやめた。 唐木会長は「国が要らないと判断した検査に独自財源を投入するなら、自治体にも説明責任はある。全自治体で連携し、一斉に検査をやめたり、メディアや国を巻き込んで国民の誤解を解いたりする努力をするべきだ」と指摘する。 URL http //www.asahi.com/national/update/0313/TKY200903130085.html 0224 クローン牛・豚は「食品として安全」 [読売] 内閣府食品安全委員会の専門調査会は24日、クローン牛や豚の食品としての安全性について、「通常の繁殖技術で生まれた牛や豚と同等の安全性がある」とする評価書案を了承した。 3月中にも同委員会で正式決定し、国民から意見を募ったうえで、最終的な評価結果を厚生労働省に報告する。実際の流通については、厚労省と農林水産省が判断する。 クローン牛・豚は、皮膚や卵管の細胞などの体細胞から作られる。しかし、死産と産後の死亡率が人工授精など従来の繁殖技術の5倍にあたる31%と高いことから、その安全性には懸念が示されていた。 評価書案では、こうした死亡率の高さはクローン技術の完成度の問題とし、「6か月を超えると、健常に発育する」と指摘。通常の家畜と同じ遺伝情報を持ち、肉や乳の栄養成分、アレルギー誘発性なども変わらないとして、食用としての安全性に「差がない」と結論づけた。その子孫についても、「従来の繁殖技術による牛、豚と差異は認められない」としている。 国内では昨年9月末までに、クローン牛557頭、クローン豚335頭が生まれている。しかし、農水省は消費者の混乱を避けるため、食用としての出荷は自粛を要請している。欧米でも流通を自粛しているため、国内では輸入品も含めて流通していない。 (2009年2月24日13時03分 読売新聞) URL http //www.yomiuri.co.jp/science/news/20090224-OYT1T00482.htm
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マリコルヌは、靴下の臭いをかいだ。 ガクガク首を振る。 間髪いれずに放たれたウインドブレイクが、巨岩を粉々に砕く。 「そう、我らにとって靴下こそ、秘薬。素人には実害でしかないその臭いを、我らは力にすることができるのです」 マリコルヌは、コルベールの言葉を聞きながら、気を失った。 「……ふむ、まだ彼には、一週間物は刺激が強すぎるようですね」 コルベールは、マリコルヌの手から靴下を拾い上げると、鼻にあてた。 首をがくがく震わせ、優しく微笑む。 「これでもう教える事はありません。ソックスレジェンド。これがあなたのハンターネームです」 「ソックスレジェンド」 マリコルヌは、かみ締めるように呟いた。 「ミスタ・コル……いや、ソックスファイア。俺はこれから、どうすれば」 「決まっているでしょ。影に生きなさい、闇に生きなさい。そして……」 コルベールはニヤリと笑った。 「靴下を狩りなさい」 マスターよりの指令。ギーシュの靴下を手に入れよ! ギーシュは、スキップしながら去っていく平民の姿を、呆然と見送っていた。 僕は、薔薇を見つけたのかもしれない。 「やあ、災難だったねギーシュ」 手をさしのばす人影を見て、ギーシュが首を捻る。 「えーと、君はマルコメ」 「マリコルヌ」 反射的に出してしまったギーシュの手を、マリコルヌは右手でがっちり掴んだ。後ろに隠した左手には、一週間物の靴下が握られている。 「い、痛いよ」 顔をしかめるギーシュにかまわず、左手を彼の顔に近づける。 「大丈夫、ギーシュ!」 「ぶはぁぁぁ!?」 横合いからモンモランシーに突き飛ばされ、マリコルヌが吹き飛ぶ。 「ああ、モンモランシー。僕は君に、なんて礼を言えばいいんだろ。 ありがとう、僕の女神」 「ふ、ふんだ。あなたが無様な姿をさらすのが、嫌だっただけよ」 ギーシュの真剣な表情に、モンモランシーは顔を赤くして、そっぽを向く。 「本当に今日はなんて日だろう。女神に救われ、薔薇を見つけるなんて」 ぎぎっと音を立てて、モンモランシーが振り向く。 「……それ、どういう事?」 「つまりこういう事さ」 ギーシュは、薔薇を振り上げ、立ち上がる。 「あの平民がとっても気になるってね!!」 しばしの沈黙。 「なに変な方向に悪化してんのよ! あんたは!!!」 綺麗に回転して蹴りを決めるモンモランシー。吹っ飛ぶギーシュ。 さらに追い撃ちに、軽くジャンプした後で、顔面めがけて握った拳を打ち下ろした。 地面と拳で、サンドイッチになったギーシュが動かなくなる。 息を荒くしたまま、モンモランシーは背を向けた。 そして二度と、振り返ることは無かった。 マリコルヌは、ギーシュの靴下を胸元におさめながら、風にマントをなびかせた。 「結果オーライ」 ~ゼロのぽややん外伝~ソックスハンター異聞録 散り逝く薔薇に靴下を 完
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二人の船出 ◆VbYNTlLnDE 橋の手すりに寄りかかり眼前に広がる海を眺める者がいた。 黒い革のコートに身を包んだ、がっしりとした体格の男だ。 「うーみーはひろいーなおおきぃーなー……」 思うところがあったのか、男は童謡を歌い始める。静かな歌声が海風にのまれていく―― この場がどういう場所か男は理解をしている、今この瞬間にも危険が迫っているかもしれない。 しかしどのような時、場所であろうと常に平常心とマイペースを保つ。 それが鬼として長年戦い続けてきた男、ヒビキの強さの一つだった。 「つーきーはのぼるーし、ひものーぼーるー……」 穏やかな童謡とは裏腹にヒビキの頭は状況の整理をフル回転で行う。 既にデイバッグの中身は確認し、周りの環境と地図を照らし合わせ自分がG2エリアにいる事も把握済みだ。 そして名簿の内容も―― (イブキもトドロキも参加していない、良い事なのか悪い事なのか……) ヒビキの知り合いは3人参戦していた、既に鬼の道を退いたあきら、まだまだ不安が残る京介、そしてベテランのザンキ。 仮にそれぞれの世界で対立をしたならばヒビキ達が生き残る可能性は限りなく低いだろう。 だからといって『はいそうですか』と諦めるほどヒビキは落ちぶれてはいない。必ず全員で生きて帰る決意を固めている。 もっとも、それはこの戦いに乗るという事ではない。大ショッカーを倒すという方針だ。 (それでお終い、ってわけにはいかないんだよなぁ……) 口ずさんでいた童謡をため息が途切れさせる。 大ショッカーの老人が言っていた全てを戯言と流す事もできるだろう、しかしそれらが現実だったら? 少なくとも60人もの人間を僅かな抵抗も許さず集めのけた大ショッカーだ。 それだけの事をやってのける組織の言葉全てを嘘と決め付けられるだろうか。鵜呑みもできないのは勿論だが―― (戦う意思は無さそうだな) 「……厄介な事に巻き込まれたもんだよなぁ、お互い」 ヒビキが橋下に声を掛ける、すると 「いやー……ほんと、そうですよね」 若そうな青年の返答が返って来た。 橋下を覗くと真っ白なコックコートと赤いスカーフを巻いた青年が人のよさそうな笑顔を浮かべていた。 ◆ ◆ ◆ ヒビキが橋下に降り、お互いに自己紹介を済ませる。 「俺はヒビキ、本名日高仁志。ヨロシク」 「俺は津上翔一って言います。本名は沢木哲也ですけど。ヨロシク!」 握手を交わし、河川敷にデイバッグを置きその上にお互い座り込む。 「本名じゃない方が名簿に載ってるのか……俺もヒビキって載せてもらったほうがわかりやすかったろうに」 「違いはなんなんでしょうね?まぁ、どうでもいいか。それよりヒビキさんはいつから俺に気づいてたんですか?」 「んー、ここに飛ばされてデイバッグの中身確認してる頃には、な。物音っていうか気配みたいなものは感じたよ」 「すごいですね!俺はヒビキさんの歌声で初めて人がいるって気づきましたよ。ほら、うーみーはひろいーなって。 そういえばなんで『ひはしずむ』じゃなくて『ひはのぼる』って変えたんですか?」 「日が沈むってなんかネガティブな感じがしてちょっと嫌だったんだよね、それだけ」 「わかる!わかりますよ、お日様っていいですよね!こう、何でも照らすぞ!ってところが!」 笑顔で語り合う二人の男。和やかな雰囲気だが軽く笑いあった後真剣な面持ちになり、和やかな空気は消えた。 「津上はどう思う。世界崩壊とか大ショッカーの事、さ」 「……ただいらないなんてわけのわからない理由で簡単に人一人の命を消す大ショッカーに従うつもり俺はありません。 仮に複雑な、まともな理由があったとしても俺の大ショッカーへの思いは変わりません。 世界崩壊とかは正直わけわかりませんし、信じたくもないですけど――大体『仮面ライダー』って何なんでしょう?」 「俺にもわからない。ただ、『特別な力』の持ち主達を総称して『仮面ライダー』と呼んだんじゃないかと俺は思う。 そういう『特別な力』が俺にはあるからな」 「『特別な力』っていうと、物が透けて見えるとか離れた物を動かせるとか、超能力みたいなもんですか?」 「いや、俺は鬼になれる」 「鬼っていうと――」 津上が両手の人差し指を立て、自分の頭の横につけ鬼の角に見立てる。 その仕草にヒビキは苦笑しながらも頷いた。 「うーん、なんかよくわからないけど、わかりました。それじゃ俺はアギトになれます」 「アギト?」 「はい。覚えてますか?確か3年前だったと思うんですけど、未確認が暴れてた時に話題になった第四号。あんな姿に変われるですよ」 「ちょ、ちょっと待て未確認とか第四号とかってなんなんだ?」 「え、覚えてないんですか?やだなぁヒビキさん。未確認と言えば――」 津上が事件の顛末を語るがヒビキにはその全てが初耳の話だった。続けてアンノウンの起こした事件の事も話したがそれも同様だった。 ヒビキはお返しとばかりに山間部、特に夏頃毎年事故や行方不明者が出ていないか津上に確認するが目立った事件事故はそう何度もないらしい。 ここでヒビキは魔化魍と自らの鬼の仕事を簡単に説明し、アンノウンとの戦いの最中で魔化魍が出たか訊ねたが津上は静かに首を横に振った。 お互いに語り終え、二人は違う世界の人間であると――大ショッカーの言葉が真実である事が理解できてしまった。 どちらからともなく視線を逸らす。しばらく沈黙が続いた後、津上が口を開いた。 「……俺、皆の場所を護りたいから強くなりたいと思って、実際強くなってアンノウンとも戦えました。 その力が原因で世界そのものが滅ぶかもなんて……信じたくない、というより認めたくないです」 「俺もだ。多分、参加してる他の『仮面ライダー』も同じ思いだろうな」 暗い雰囲気にたまらず津上が髪の中に手を入れ唸る。 「うー、大ショッカーの言葉に従わずに世界崩壊を止める方法とかないもんなのかなぁ」 「あるだろうな」 間髪いれずのヒビキの返答に津上は目を丸くし、次の言葉を待った。 「推測、いや妄想に近いけどさ。大ショッカーは底知れない強さを持っている……そう言っていいだろ? だったらいるはずだ、大ショッカーに敵対できるほどの強さを持つ『仮面ライダー』がさ」 「おお!」 「大ショッカーは異なる世界にも干渉できる、敵対する『仮面ライダー』もできるはずだ、でないと相手にならないからな!」 「なるほど!その人を探せばもしかしたら!」 「ああ!」 お互い妙なテンションで笑いあい、すぐに冷めたため息をついた。 「ま、いたらだけどな……」 「ですよねー……仮にいたとしてもこの場にいるかどうかすら」 ヒビキが立ち上がり、伸びをしながら話を切り上げる。津上もそれに倣って立ち上がった。 「大ショッカーを倒すにしろ、世界崩壊を止めるにしろ俺達が分かる事は一つだ。知識と情報が足りない」 「俺達以外の世界の人達と接触しない事には始まらない、そういうことですね」 「そう、そしてこの場は常に危険が付き纏っていると言っていい。知識や情報を持つ人物にも例外なくな」 「なら俺とヒビキさんにできることは――」 「「護る事」」 力強く頷きあい、二人の思いが一致する。どのような場所でも彼らは『仮面ライダー』だった。 ◆ ◆ ◆ 「津上、支給品の確認は済んでるか?」 ヒビキがデイバッグの中身を取り出しながら問いかける。それに応えるように津上はデイバッグの中から支給品をいくつか取り出していく。 「変てこな赤い携帯電話、変てこなキャラクターのキーホルダー。ふうと君って言うみたいですね。それ以外は共通の物みたいです。 折角だからディバッグにキーホルダーつけよっと♪」 「どっちも使い道がわからないが、持ってても支障はなさそうだな。俺は着替えが3着、あきら達にも支給されてるといいんだが。 津上に一着渡しておくな?それと音角か。これがないと始まらないな。 最後に、よくわからないカードが4枚。見覚えあるか?」 4枚のカードを手渡された津上が一枚一枚確認していく。 「イン……ビジブル?そんな映画あったなぁ。これはイリュージョン?魔法とか手品とかかな。 えーっとこっちはライオトルーパー?なんだか兵隊みたいですね。で、最後が……これは」 「それな、ギガントだっけ?それだけ他のカードに比べて毛色が違うよなぁ」 「えぇ、なんていうか見た目どおりの使い方をするんだろうな、と思うと」 「なんとなく良い気分はしないよな」 津上が一瞬顔を曇らせるがカードを返しすぐ笑顔に戻る。 「こんなカードで何ができるって話ですしね、気にしないようにしましょう」 「そう、だな。しかしもう少し身を護れそうな物が支給されれば良かったんだが……」 「それはそれ、これはこれ。支給品の分は俺達自身の力でカバーしましょう!」 「随分自信があるんだな?」 「だって俺アギトですから。ヒビキさんこそ大丈夫ですか?」 「大丈夫大丈夫、鍛えてますから」 ◆ ◆ ◆ ヒビキに手渡された服に津上が着替え、お互いの荷物の整理を終えて準備を完了する。 「津上、一緒に行く方がお互い安全だとは思う。だが俺達の今の位置は都合が良い」 ヒビキはコートの内側にしまった地図を取り出しながら津上に説明を始める。 「E2エリア近辺の住宅街、G4エリア近辺の住宅街、そのどちらにも俺達は近い。 住宅街には参加者が集まったり隠れてたりしてるんじゃないかと俺は思うんだ。そこで――」 「お互い別々の住宅街を目指して他の世界の参加者達と接触を図るってことですか?」 「そういうこと。被害が出る前にこの戦いを終わらせたいからな、時間は大切だ」 「わかりました!」 「集合場所と時間も決めておくか。連絡手段があれば良いんだがな……よし、E4エリアの病院屋上にしよう。時間は0時頃でいいかな」 「今から12時間後って所ですか。それだけあれば住宅街もある程度調べられそうですね」 集合場所と時間を決め、二人は河川敷からT字路に向かう。 「今回の俺達のように他の参加者達とも上手く接触できるとは限らない、忘れるなよ」 「はい。ヒビキさんも、あんまり背負わないでくださいね」 「……俺そんな思いつめたような顔してた?」 「ちょっぴりですけどね。大丈夫、なんとかなりますって」 「ハハ、そうだな。よし、行きますか!」 T字路で立ち止まり、お互い視線を交わす。 「必ずまた会おう、津上!」 「えぇ、約束ですよヒビキさん!」 一時の別れの言葉を告げ、二人は別々の住宅街を目指し歩き始めた―― ◆ ◆ ◆ (顔に出てたか……) 住宅街を目指しながらヒビキは表情を引き締める。 (シャキッとしなきゃな。俺がしっかりしなきゃ) 世界を一人で背負った重圧を感じつつヒビキは歩く。 ◆ ◆ ◆ (言えなかったなぁ、木野さんの事……) 死んだはずの命の恩人、木野。その名が名簿には確かに載っていた。 ヒビキにはアンノウンとの戦いの顛末を語りはしたが木野の最期は伏せたままだったのだ。 (えーい、木野さんに会ったらその時はその時だ!) 漠然とした不安を感じつつ津上は歩く。 【1日目 日中】 【G-2 T字路】 【津上翔一@仮面ライダーアギト】 【時間軸】本編終了後 【状態】健康 【装備】なし 【道具】支給品一式、コックコート@仮面ライダーアギト、ケータロス@仮面ライダー電王、ふうと君キーホルダー@仮面ライダーW 【思考・状況】 1:打倒大ショッカー 2:殺し合いはさせない 3:大ショッカー、世界崩壊についての知識、情報を知る人物との接触 4:木野さんと会ったらどうしよう? 【備考】 ※ふうと君キーホルダーはデイバッグに取り付けられています。 ※響鬼の世界についての基本的な情報を得ました。 【日高仁志@仮面ライダー響鬼】 【時間軸】本編第41話終了後 【状態】健康 【装備】変身音叉・音角@仮面ライダー響鬼 【道具】支給品一式、アタックライドカードセット@仮面ライダーディケイド、着替え(残り2着) 【思考・状況】 1:打倒大ショッカー 2:殺し合いはさせない 3:大ショッカー、世界崩壊についての知識、情報を知る人物との接触 4:俺がしっかりしないと…… 【備考】 ※カードセットの中身はカメンライド ライオトルーパー、アタックライド インビジブル、イリュージョン、ギガントです ※ライオトルーパーとイリュージョンはディエンド用です。 ※インビジブルとギガントはディケイド用のカードですが激情態にならなければ使用できません。 ※アギトの世界についての基本的な情報を得ました。アギト世界での『第四号』関連の情報を得ました。 【共通備考】 ※1日目0時、E-4エリアの病院屋上で合流する予定です ※E-2エリア、G-4エリア近辺の住宅街を別行動で探索予定です。津上、日高がそれぞれどちらに向かったかは後の書き手さんにお任せします 013 運命の適合者 投下順 015 エレジー♪支えてくれるひと 013 運命の適合者 時系列順 015 エレジー♪支えてくれるひと GAME START 津上翔一 029 『クウガ』と『アギト』 GAME START 日高仁志 023 人を護るためのライダー